『やっぱし板谷バカ三代』（ゲッツ板谷）

　JR立川駅の駅ナカ書店に「地元・立川の星、ゲッツ板谷さん待望の最新刊」というPOP広告が、悲しいことに隣のスイーツ店販売員からしか見えそうにない場所にこっそり掲示してあるのを発見して、急いで買ってきました。立川の星、なのか。

　というわけで、自分の家族や友人の超絶バカっぷりを、ぐりぐり書いて読者を爆笑させた『板谷バカ三代』の続編。今回も父親や弟をはじめとする暴走家族のバカぢからは凄まじく、どう身構えていても吹き出してしまうので、電車の中で読むのは危険です。

　ただ、今回は悲しい話も。家族が病気でどんどん亡くなるのです。おじ、祖母、飼犬、そして母。義理の妹はガン。本人は脳出血及び髄膜炎を併発して入院。親友も両親を次々と失うし、まるで関係者一同、不幸の津波に襲われているかのようです。

　爆笑ネタの合間に悲劇がはさみ込まれ、次第に悲喜劇となっていって、やがては泣き笑い状態に。そして最後は母親が死んでゆく様を切々と書きつづります。油断していると今度は泣けます。

　笑いも泣きもとにかく過剰な、感情過多エッセイですが、読めば間違いなくゲッツ板谷さんとその家族の爆発的キャラクターに魅了されます。なお、見ると後悔するようなバカ写真が多数収録。イラストはもちろん西原理恵子さん。また、西原理恵子さんによる描き下ろし特別マンガも付いています。

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