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『巨大高層建築の謎』(高橋俊介) [読書(サイエンス)]

 高層ビルをはじめとする巨大建築を支えている最新テクノロジーについて解説してくれる一冊。

 建築材(コンクリート、鋼材、骨材など)から始まって、工法、構造、空調、採光、耐震機構、防火設備、落雷対策、など様々な技術が分かりやすく紹介されています。

 この分野にはほとんど無知だったので、もう面白くて面白くて、夢中になって読みふけってしまいました。

 エレベータの主な方式、耐震/制振/免振の違い、風力による振動を抑止する技術、など「そうだったのか!」の連発。振動を抑える技術の奥深さ、そしてスケールの大きさには感動します。

 あと、豆知識が豊富に得られるのも嬉しい。

 エレベータシャフトが完成した後に箱をどうやって中に入れるのか。巨大タワークレーンを建築中のビルの屋上にどうやって乗せるのか。それをビル完成後にどうやって下ろすのか。香港のネオンサインが点滅しない理由は。エンパイアステートビルの最上部にある出っ張りは何。東京タワーの正式名称は。

 防雷装置の仕組みなんてものすごく興味深い。「ケミロッド」が地下からプラスイオンを集め、それを「イオナイザー」が迫り来る雷雲に向けて放射。雷が落ちる前に電荷を中和してしまう。読みながら、「これはクラウドバスターだ」と思ったり、ゴジラ映画に出てくる新兵器みたいだと思ったり。

 他にもピラミッド、コロッセウム、アレクサンドリア大灯台など歴史的な巨大建造物の話なども充実。絵や写真も豊富で、パラパラめくっているだけでも楽しめます。

 建築学に詳しい人にとっては基礎的な話ばかりで退屈かも知れませんが、私はどのページを開いても初耳の話ばかりで、とにかく最初から最後まで大いに楽しめました。

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