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『The Nutcracker (くるみ割り人形)』(バランシン振付、ニューヨーク・シティ・バレエ) [映像(バレエ)]

 バレエ『くるみ割り人形』は様々なコリオグラファによって再振付されていますが、これはジョージ・バランシンが振付・演出したニューヨーク・シティ・バレエの舞台を映画化したものです。制作は1993年となっています。

 このDVDはリージョンコード=1の制限が付いていて、我が家のDVDプレーヤーでは再生できず、PCで再生して観賞しました。これから購入する方は留意して下さい。

 さて、さすが名盤と言われるだけあって素晴らしい映像です。映画ですが、ごく一部に特殊効果(ILMが担当)が使われているだけで、基本的には舞台公演だと思って観ることが出来ます。

 1幕は子供たちの芝居が面白い。あまりバレエだということを意識しないで、子供向き映画として楽しめます。

 このためすっかり油断していて、「雪の精」のシーンでビックリしました。女性群舞の美しさ、フォーメーションの見事さ。NYCB(ニューヨーク・シティ・バレエ)による本気全開のバレエに目を奪われます。

 そこから先はバレエ映像として素晴らしいシーンの連続で、特に「花のワルツ」の振付と演出は絶品というか、これまで観た中でも最高というか、何度も観たくなる美しさ。

 他にも、天使たちが登場するシーンは大好きですし、キャンディや中国茶の男性ソロも凄い凄い。そしてもちろん、シュガープラムの精、ダーシー・キスラーの驚くべきハイテクニックに裏打ちされたダイナミックなバリェーションやパ・ド・ドゥには度肝を抜かれます。ドロッセルマイヤーの魔法よりも、ILMの特撮よりも、ダーシー・キスラーの踊りの方が凄いというか、奇跡を目の当たりにしたような興奮を覚えました。

 スラリとして背丈も手足も長い、いかにもバランシン好みのNYCBの女性ダンサーたちは観ているだけで気持ちよく、他人種構成なのも嬉しい。主役のマリー(他の版ではよくクララという名前で登場する女の子)もけっこう可愛いし。くるみ割り人形を演じたマコーレー・カルキンは、個人的には、まあ、どうでもいいかと。

 というわけで、数ある『くるみ割り人形』映像のなかでも確かに屈指の名盤だと思います。もう出来るだけ多くの人に観てほしいのですが、リージョンコード制限のおかげで日本ではPCで再生しなければならないのが本当に残念。何とか日本版を出してもらえないものでしょうか。

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