SSブログ

『ル・パルク Le Parc』(パリ・オペラ座、プレルジョカージュ) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 パリ・オペラ座の来日公演で、フランスの振付家アンジェラン・プレルジョカージュの『ル・パルク』をやったというので話題になりましたが、残念ながら私たちは観ることが出来ませんでした。代わりに、やや古い映像(1999年4月)を収録したDVDが出たので、購入して夫婦で観賞。

 広大な舞台を庭園(ル・パルク)に見立て、モーツァルトの曲をバックに、貴族たちの恋愛模様を描く作品です。特に明確なストーリーはありません。主役を踊ったのは、イザベル・ゲランとローラン・イレール。さり気なくレティシア・プジョルが群舞にいたりしてちょっと嬉しい。

 プレルジョカージュの作品は、以前に舞台で『Les 4 saisons...(四季)』を観たことがありますし、映像では『ロミオとジュリエット』を観たこともあるのですが、個人的にどうも性に合わないんです。

 部分的には面白い動きや演出もあるのに、全体として見ると冗長というかすべっているというかフランス人のセンスはどうしようもないというか、率直に言って退屈です。

 モーツァルトに合わせて優雅に踊る貴族たちのダンスの合間に、ときどき耳障りなノイズミュージック(機械音、打楽器、人間の叫びなどから構成)が流れて、それに合わせて庭師というか労働者というか、そういう階級の方々がメカニカルな動きで工業用ロボットのようなダンスを披露するのですが、実は最も面白いと思ったのはそこ。動きがシャープでかっこいい。

 貴族たちの踊りでは、男性群舞がバカ丸出しで勢い良く踊るシーンがいくつかあって、そこは楽しめました。しかし、女性群舞および男女のパ・ド・ドゥは、早回しで飛ばしたくなるような出来ばえ。

 ダンス評論家の乗越たかおさんが

「アルジェランの振り付けに必要とされるような激しさとエロティシズムは、パリ・オペラ座バレエ団のダンサー達とは質が違う」
(『コンテンポラリーダンス徹底ガイドHYPER』 p.72)

と書いていましたが、やはりパリ・オペラ座との相性に問題があるのかも知れません。例えば、リヨン・オペラ座バレエ団が踊ったとしたらどんな風に見えるのか、気になるところです。あと、最近の来日公演ではどんな感じだったのかも。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0