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『ラ・バヤデール』(新国立劇場、NHK教育「芸術劇場」) [映像(バレエ)]

 NHK教育「芸術劇場」で、新国立劇場で上演されたバレエ『ラ・バヤデール』全幕映像(収録は2008年5月20日、24日)が放映されました。

 主役のニキヤとソロルを踊ったのは、ロシアのスターダンサーであるスヴェトラーナ・ザハロワとデニス・マトヴィエンコ。準主役のガムザッティを湯川麻美子さんが踊り、演出・改訂振付を牧阿佐美さん(新国立劇場舞踊芸術監督)が担当するという豪華キャスト。

 まずザハロワ(ニキヤ)ですが、彼女は個人的にあまり好きなダンサーではないし、演技はどうも大げさな割に気が抜けているし、感心しませんでした。

 マトヴィエンコ(ソロル)は、テクニック自慢丸出しで勢い良く踊っていて、まあ好感は持てました。しょせんはソロルだしそれで充分かも。

 湯川麻美子さん(ガムザッティ)は、端正な踊りで頑張っていたのですが、あまり印象に残らなかったのが残念。

 というわけで個人的な印象として主役陣がぱっとしなかったのですが、新国立劇場バレエ団の群舞が良い出来ばえで、これには感心しました。第二幕の群舞(特に男性)、第三幕「影の王国」の女性群舞、いずれも立派。気持ちの良い舞台を作り上げてくれました。

 あと、第二幕の舞台美術が素晴らしい。インド風の蓮文様の更紗を使って幻想的な古代インド宮殿を作り上げているのですが、その美しさは感動的です。パリ・オペラ座では実物大の象が出ましたが(笑)、そういうハッタリのない品の良い綺麗な舞台美術には大いに好感が持てます。

 全体的に、牧阿佐美さんの過度にエキゾチズムを強調しない上品な演出が光っています。ニキヤ(の霊)に見捨てられたソロルが一人寂しく死んでゆくというラストも、説得力があると思います。

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