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『スティーヴ・ライヒの世界・その魅力』(芸術劇場、NHK教育) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 7月4日の夜に放映された番組ですが、録画しておいて今日じっくり観賞しました。ミニマル・ミュージックを代表する作曲家、スティーヴ・ライヒのドキュメンタリーです。

 私がライヒの音楽を初めて聞いたのは、実はコンテンポラリーダンスカンパニー「ローザス(Rosas)」のダンス映像『FASE』でした。

 『FASE』には、同じ動作を延々と繰り返しつつ、次第に位相がずれてきたり再同期したりして、観客を忘我の状態に引きずり込む不思議なダンス、ケースマイケル(Anne Teresa De Keersmaeker)が振り付けた作品が4つ収録されているのですが、そこで使われている曲が全てスティーヴ・ライヒ(Steve Reich)作品だったのです。

 何度も何度も同じフレーズを繰り返すこの印象的な音楽は何だろう、ローザスのために特別に作られたのだろうか、作曲したライヒって誰だ、などとそのとき思ったのですが、何となくそのまま忘れていました。今日、配偶者に指摘されてようやく気づいたという次第。

 番組では、そのライヒやその作品について、ゲストである作曲家・吉松隆氏が丁寧に解説してくれます。極端な楽譜(数小節だけ音符が並んでいて、後はひたすらそれを繰り返せという指示があるだけ)にはびっくり。また、「ご自身の作品のジャンルは何だと思いますか」という質問に対してきっぱり「音楽」と言い切っている本人のインタビュー映像も。

 その後に続く公演収録「コンポージアム2008 スティーヴ・ライヒの音楽」の前振りとして置かれたごく短いドキュメンタリーですが、勉強になりました。

 ちなみに公演編ですが、2008年5月21日に東京オペラシティ・コンサートホールで収録されたライヒの代表作『18人の音楽家のための音楽』と、日本初演の新作『ダニエル・ヴァリエーションズ』、そして2008年2月25日にNHK放送センター101スタジオで収録された『ディファレント・トレインズ』の3曲という、充実したプログラム。

 とにかく3曲とも素晴らしい傑作で、ほとんど麻痺したように聞き入るのみでした。ミニマル・ミュージックとか何とかそういうジャンルは関係なく、ご本人の言う通り「音楽」としか言いようがない新鮮で強烈な体験です。あまりのことに、すぐにアマゾンでCDを何枚か注文してしまいました。今夜は興奮して眠れないのではないかと心配です。耳に残ってるんです。

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