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『ロッキン・ホース・バレリーナ』(大槻ケンヂ) [読書(小説・詩)]

 先日読んだ『大槻ケンヂ20年間わりと全作品』で、

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 フェイバリットだよ! 「大槻ケンヂを知らない人が大槻ケンヂの小説を読む時にまず何から読めばいいか?」と、質問があったら、僕は迷わず『ロッキン・ホース・バレリーナ』と即答する。作家としてノリにノッてた頃に書いた本だし、自分で言うのも何だけど、笑えて、泣けて、ホントにすがすがしい気持ちで読み終われる一冊だと思うよ。(単行本p.221)
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などと作者が熱く語っていたので、読んでみました。単行本は2004年、私が読んだ文庫版は2007年に出版されています。

 えー、「十八歳で夏でバカだった」という、本書の内容を要約したような一行で始まるバンドマンの話です。

 「俺たちにはロックの神様がついてるから」というだけで人生渡ってゆけると信じ、でも意味もなく不安と焦りで浮足立つ、青春真っ只中のバカ3人が、初めてのライブツアー。いきなり乱入してきて居ついてしまう謎のゴスロリ少女、借金で首が回らなくなってるマネージャ、それぞれにどうしようもない事情を抱えながら、西へ西へと、ただロックを信じてつき進む彼らを待ち受けているものは何か。

 まあ、大槻ケンヂさんの小説なので、どうなろうと最後はロックの神様が何とかしてくれることは分かりきっているので、安心して読めます。ライブの楽屋やステージ上の描写はさすがのリアリティ。盛り上がります。

 いや、キャラクター設定はむっちゃ定型的だし、展開はロードムービーの定番パターン、少女漫画にありがちなシーン、ご都合主義に満ちた展開、冷静に見ると小説としてはあまり高く評価できないのですが、かぁーっと熱くなって勢いで読める話なのであまり気になりません。

 若い読者は主役の少年少女に、私のように中年の読者は人生負け犬マネージャに、それぞれ感情移入して熱くなれます。ロック小説はこうでなくちゃ。

タグ:大槻ケンヂ
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