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『アーサー・C・クラーク追悼特集II』(SFマガジン2008年7月号) [読書(SF)]

 二号に渡るクラーク追悼特集。今号には『太陽系最後の日』、『星』、『太陽からの風』という短編代表作3篇が新訳で掲載されています。

 『太陽系最後の日』や『星』は若い頃に読んだとき感動したはずなのですが、今この歳になって読むと、さすがに古い、というか発想が子供っぽいと感じて、鼻白んでしまいます。

 ところが、太陽風ヨットによる軌道周回レースを描いた『太陽からの風』は不思議なことに少しも古びておらず、展開なんか鮮明に覚えているのにも関わらず今回読み始めた途端に興奮して、やはりあのラストに深い感動を覚えました。SFだ~。

 他には「クラーク全邦訳著作解題」とか「クーラク年譜 完全版」とか、気合が入りまくった労作が詰め込んであります。他にも追悼エッセイいくつか。

 あとは、いかにもクラークに触発されたとおぼしき作品群を書いていらっしゃる野尻抱介さんと小川一水さんが、「オーマジュ短編」を書き下ろすという企画が興味深い。

 野尻さんの作品は『2001年宇宙の旅』のオープニングをひねったユーモア短編で、小川さんのは『幼年期の終わり』の拡張版。この勝負(勝負じゃないけど)、小川さんの方に軍配をあげたいと思います。

 というわけで、特に若いSFファン、最近SFを読み始めた方々に、ぜひ読んでほしい特集号です。あ、山本弘さんの新連載も始まりましたし、神林長平さんの「雪風」第3部、朝松健、谷甲州、などなど他の連載も力作揃いです。買って損はありませんて。

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