SSブログ

『Hydra ヒュドラ』(インバル・ピント・カンパニー、森山開次、大植真太郎) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 日本でも人気の高いイスラエルの「インバル・ピント・カンパニー」が新作『ヒュドラ』を発表するというので、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場まで駆けつけて観てきました。

 このカンパニーを観るのは2年ぶり。今回は世界初演、しかも森山開次らとの共演ということで、もう最初から期待でいっぱい。

 インバル・ピントは“へんないきもの”を表現する振り付けセンスに抜群に優れています。そして森山開次は、そもそもご本人が“へんないきもの”ですから、もう相性ばっちりです。

 さてその新作『ヒュドラ』、1時間ほどの作品で、日本でも大きな話題になった『オイスター』や『ブービーズ』のような凝った衣装や舞台装置は使わず、非常にシンプルな舞台構成でした。

 もちろん、舞台狭しと“へんないきもの”たちが跳梁跋扈します。大勢のダンサーが、ちょーっと人間じゃない変な動きで、舞台のあちこちで好き勝手に振る舞っているという印象。まあ、いつもの通り百鬼夜行。

 小道具としてベンチや砂袋が使われますが、最も多用されるのは棒。D&Dをやったことのある人なら、ためらいなく「10フィートの棒」と呼ぶであろう、頑丈な棒です。

 これを二人で持ってダンサーを引っかけて運んだり、立てた棒の上に女性ダンサーがくし刺し風にぶら下がったり、数人で棒登りしたりと、ありとあらゆる奇妙な使い方をします。

 こういう変なこだわりは、まさにインバル・ピントの面目躍如という感じ。他にも、3人のダンサーがベンチを様々なやり方で活用して踊るシーンも個人的に非常に気に入りました。

 もちろん森山開次もへんないきもの全開で踊ってました。NHK教育『からだであそぼ』で森山開次(カイジくん)が踊る奇妙なダンスを思い出します。あれをインバル・ピントのメンバーがわらわらと同時多発で踊っているというか。そもそもカイジくんダンスはインバル・ピントくさかったことに今さらながら気づいたというか。

 全体的に、何とも言い難い、奇妙でグロテスクでユーモラスでちょっと切なくてわけも分からず魅力的な舞台。つまり、衣装や舞台装置がシンプルでもインバル・ピントはインバル・ピントだということですね。

 終演後、イメージスケッチやら舞台写真やら、資料を掲示しているコーナーを観てまわって、帰宅しました。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0