『Self-Reference ENGINE』(円城塔) [読書(SF)]
ハヤカワJコレクションと言えば“青背”のはずなのですが、なぜか眼に悪そうな黄色のカバーで出ました。
最初のページ"Self-Reference ENGINE by EnJoe Toh 2007"という表記を見ただけで、ある種の海外SFな香りが漂っています。ただし売る気があるのかどうかは疑問。
で、内容ですが、えーと、「SF馬鹿ネタが300ページに渡って書かれている連作短編集」としか言いようがありません。
「自己増殖オートマトンがあるのなら、自己消滅オートマトンがあってもいいよね。でもそれを証明する理論はそれ自体を消去してしまうので、今だに知られていないんだ」とか
「無意識下に抑圧されているものの正体が、実はフロイトだったりしたら嫌だな」とか
「人類が決して解読できない言語の正体は日本語だった、ということを証明した論文が日本語で書かれていた」とか
そんな感じの自己言及系お馬鹿ネタをことのほかお喜びになる貴方にお勧めします。
ただ、ネタをぽんっと提示する導入部はワクワクするんですが、その後の展開に困って延々と引き延ばした挙げ句、雰囲気に逃げて終わってしまうのが残念。
何しろ「導入部よりも後半の展開の方が面白い作品」が一編もない、というのはどうかと。
まあ、こういう本を書いて、あまつさえ出版させてしまう、というのは誰にでも出来ることではないので、次回作には大いに期待したいと思います。
最初のページ"Self-Reference ENGINE by EnJoe Toh 2007"という表記を見ただけで、ある種の海外SFな香りが漂っています。ただし売る気があるのかどうかは疑問。
で、内容ですが、えーと、「SF馬鹿ネタが300ページに渡って書かれている連作短編集」としか言いようがありません。
「自己増殖オートマトンがあるのなら、自己消滅オートマトンがあってもいいよね。でもそれを証明する理論はそれ自体を消去してしまうので、今だに知られていないんだ」とか
「無意識下に抑圧されているものの正体が、実はフロイトだったりしたら嫌だな」とか
「人類が決して解読できない言語の正体は日本語だった、ということを証明した論文が日本語で書かれていた」とか
そんな感じの自己言及系お馬鹿ネタをことのほかお喜びになる貴方にお勧めします。
ただ、ネタをぽんっと提示する導入部はワクワクするんですが、その後の展開に困って延々と引き延ばした挙げ句、雰囲気に逃げて終わってしまうのが残念。
何しろ「導入部よりも後半の展開の方が面白い作品」が一編もない、というのはどうかと。
まあ、こういう本を書いて、あまつさえ出版させてしまう、というのは誰にでも出来ることではないので、次回作には大いに期待したいと思います。
タグ:その他(SF)
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