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『私の恋人 ~暇さえあれば体当たり~』(近藤良平、黒田育世) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 夫婦で吉祥寺シアターまで行って観てきました。

 とにかく近藤良平(コンドルズ)と黒田育世(BATIK)の共演ですから、コンテンポラリーダンスのファンとしては、何としてでも観なければなりません。会社休みました。

 乗越たかお氏が「近藤の飄々としたダメ男ぶりに黒田が一直線に体当たりしてゆく良作」と評していた舞台の再演ですが、いったい何をやるのか事前にはさっぱり予想がつかず、どきどきしながら開演時間を待ちます。

 突然、前触れなく舞台奥の大道具搬入扉が開いて、外の街路がそのまま見えます。そこを自転車の二人乗りで通り過ぎる近藤&黒田。いきなりの大技、ツカミはばっちしです。

 そのまま折り返して戻ってきた二人は、自転車に乗ったまま舞台まで走り込んできます。そこは二人が同棲している部屋、という設定の舞台。

 ここからは「付き合いの長い恋人同士」にありがちな、「二人にとっては了解事項かも知れないが他人から見れば意味不明な変なこと」を延々とやります。

 二人で一緒に踊ったり、二人で交互に踊ったり、喧嘩したり、スイカ割りしたり、演劇なんだかダンスなんだかよく分からない動作を延々とやったり、ばったり倒れたり、プレゼントを足蹴にされたり、Tシャツを電子レンジに入れられたり、普通に(普通って何?)コンテンポラリーダンスしたり。

 二人とも、もともとちょび人外な存在なんですが、これが「普通の恋人」の役をやると、香ばしいリアルなダメ感が醸し出されてグッドです。

 近藤良平さんのダンスは、これがまた爽快感あふれるカッコよくキマった動き。『コンドルズ』の公演では、最後にちょっと見せるだけのソロダンスを、たっぷりとやってくれました。

 対する黒田さんのダンスは、例によって呪術的な怪しさ炸裂で、ちょっと今の動きもう一度見せて、という感じの気になる動き。

 この二人、ダンスの相性もいいじゃん。

 ラスト近くで二人とも脱いで下着姿になりますが、全然エロくなりません。色気ゼロです。というか黒田さんにはロリ入ってます。「この娘~、意外にふけている~」と歌う近藤さんはちょっとひどいと思います。(黒田育世は30歳)

 最後のパ・ド・ドゥも良かったのですが、個人的に一番気に入ったのは、「恋人二人がツーショットで記念撮影するときにとりがちなポーズ」を次々にやるという“振り付け”で、ペアで踊るコンテンポラリーダンスの傑作かも知れません。

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