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2018年を振り返る(4)[SF・ミステリ] [年頭回顧]

 SFアンソロジーが次々と出版された年でした。東京創元社からは、恒例の年刊日本SF傑作選『プロジェクト:シャーロック』に加えて、新たに書き下ろし日本SFアンソロジーシリーズ『Genesis』がスタートしました。三年ぶりの『NOVA』復活と並んでめでたいことです。


2018年07月05日の日記
『プロジェクト:シャーロック 年刊日本SF傑作選』(大森望、日下三蔵、上田早夕里、宮内悠介、小田雅久仁、山尾悠子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-05

2018年12月18日の日記
『NOVA 2019年春号』(大森望:編集)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-18

2018年12月26日の日記
『Genesis 一万年の午後』(宮内悠介、高山羽根子、宮澤伊織、他)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-26


 「百合SF特集」と銘打ったSFマガジン2019年2月号は何と予約殺到で出版前に在庫全滅。発売前重版を二度も繰り返したのは創刊以来初の快挙だそうで、今年は各社競って「百合SFアンソロジー」を出す予感がします。そんなブーム(なのか?)を牽引してきた宮澤伊織さんの人気シリーズ「裏世界ピクニック」も第三巻が出版されました。


2018年12月27日の日記
『SFマガジン2019年2月号 百合特集』(宮澤伊織、他)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-27

2018年12月17日の日記
『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』(宮澤伊織)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-17


 テクノロジーの明るい側面に目を向け続ける藤井太洋さんは、今年も技術者の姿をリアルに描いたSFを出してくれました。個人が開発したプログラム、というかアルゴリズムが世界を変えてゆく『ハロー・ワールド』と『おうむの夢と操り人形』です。


2018年11月07日の日記
『ハロー・ワールド』(藤井太洋)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-11-07

2018年11月06日の日記
『おうむの夢と操り人形』(藤井太洋)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-11-06


 SFと純文学の境界にある作品も印象的でした。お気に入りは高山羽根子『オブジェクタム』ですが、倉田タカシ『うなぎばか』のシリアスなんだかふざけてるんだかよくわからない奇妙な味わいも素敵でした。さらに『ディレイ・エフェクト』『超動く家にて』という宮内悠介さんの二冊は、SFとかミステリとか分類してもしょうがない傑作揃い。


2018年11月19日の日記
『オブジェクタム』(高山羽根子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-11-19

2018年07月26日の日記
『うなぎばか』(倉田タカシ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-26

2018年04月23日の日記
『ディレイ・エフェクト』(宮内悠介)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-23

2018年03月08日の日記
『超動く家にて 宮内悠介短編集』(宮内悠介)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08


 海外SFアンソロジーも豊作。とりあえず猫SFアンソロジー『猫は宇宙で丸くなる』がお気に入りですが、話題になったのはもちろんケン・リュウが編集と翻訳を担当した『折りたたみ北京』で、必読の一冊です。なお、映画話題作にからめて企画されたと思しきゲームSFアンソロジー『スタートボタンを押してください』も面白かった。


2018年02月01日の日記
『猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選』(中村融:編集・翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-02-01

2018年06月21日の日記
『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(ケン・リュウ:編集・英訳、中原尚哉・他:翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21

2018年04月19日の日記
『スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選』(桜坂洋、チャールズ・ユウ、アンディ・ウィアー、ケン・リュウ、他)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-19


 アダム・ロバーツの『ジャック・グラス伝』は想像を超えるトンデモな一冊で、面白いのだけど、お勧めする最適な方法が分からない。アルフレッド・ベスターの傑作選『イヴのいないアダム』が出たり、J.G.バラード短編全集が全5巻で完結したのも昨年でした。


2018年04月25日の日記
『ジャック・グラス伝 宇宙的殺人者』(アダム・ロバーツ、内田昌之:翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-25

2018年01月29日の日記
『イヴのいないアダム』(アルフレッド・ベスター、中村融:編)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-01-29

2018年01月11日の日記
『J・G・バラード短編全集3 終着の浜辺』(J.G.バラード、柳下毅一郎:監修、浅倉久志他:翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-01-11

2018年05月17日の日記
『J・G・バラード短編全集4 下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件』(J.G.バラード、柳下毅一郎:監修、浅倉久志他:翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-05-17

2018年08月30日の日記
『J・G・バラード短編全集5 近未来の神話』(J.G.バラード、柳下毅一郎:監修、浅倉久志他:翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-08-30


 ミステリはあまり読まないのですが、不可能犯罪担当と不可解事件担当の二人の探偵が組んで活躍する青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』、出版業界を舞台に奇人変人作家たちが引き起こすトラブルを扱う両角長彦『困った作家たち 編集者桜木由子の事件簿』、この二冊の連作短篇集は、いずれも巧みなユーモアで大いに楽しめました。


2018年08月02日の日記
『ノッキンオン・ロックドドア』(青崎有吾)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-08-02

2018年03月12日の日記
『困った作家たち 編集者桜木由子の事件簿』(両角長彦)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-03-12



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2018年を振り返る(3)[小説] [年頭回顧]

 笙野頼子さんの『ウラミズモ奴隷選挙』およびその予告篇『ウラミズモ、今ここに』が話題になった年でした。残念ながらTPPは予定通り発効し、さらには現実がフィクションを追いかけていくように、世相はますます嫌な感じになっています。そういった濁りもそのまま、昨年亡くなった詩人・川上亜紀さんの思い出にまるごとくるみこんで、美しい追悼小説としてまとめた短篇『返信を、待っていた』も発表されました。


2018年10月25日の日記
『ウラミズモ奴隷選挙』(笙野頼子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-25

2018年04月17日の日記
『ウラミズモ、今ここに(「Web河出」掲載)』(笙野頼子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-17

2018年12月10日の日記
『返信を、待っていた』(笙野頼子)(「群像」2019年1月号掲載)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10


 町田康さんの活き活きとした語りの手際も健在。『義経記』をぶっちぎり現代文学として語り直す『ギケイキ』の第二巻、ライフワーク的な大河余小説完結編『生の肯定』という二つの長篇を中心に、湖畔にたつ古風なホテルを舞台に途方もない方向に跳んでゆく『湖畔の愛』、猫への想いあふれる短篇集『猫のエルは』、ロックとはロック魂とは何かを追求するようでいてそうでもないような『少年の改良』も面白かった。というか、何を書いても面白い。


2018年08月23日の日記
『ギケイキ2 奈落への飛翔』(町田康)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-08-23

2018年01月17日の日記
『生の肯定』(町田康)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-01-17

2018年06月13日の日記
『湖畔の愛』(町田康)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-13

2018年10月11日の日記
『猫のエルは』(町田康)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11

2018年09月12日の日記
『少年の改良』(町田康)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-12


 サッカーのサポータ活動に焦点を当てた連作短篇集である津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』、アパートの一室で繰り広げられる奇妙な交流を通じて孤独とは何かを描く木村紅美『雪子さんの足音』の二作は、とても強い印象を残してくれました。


2018年09月20日の日記
『ディス・イズ・ザ・デイ』(津村記久子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-20

2018年09月11日の日記
『雪子さんの足音』(木村紅美)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-11


 昨年はぶたぶた二十周年ということで、矢崎存美さんの「ぶたぶた」シリーズも好調でした。シリーズ二作に加えて、猫の暗躍を扱った新シリーズ「NNNからの使者」も第二弾、第三弾が出版されました。NNNシリーズはどうやら打ち切りのようですが、今も新たな読者を獲得しつつあるようなので、何とか続けられないものでしょうかね。


2018年07月12日の日記
『森のシェフぶたぶた』(矢崎存美)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-12

2018年12月12日の日記
『編集者ぶたぶた』(矢崎存美)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-12

2018年04月18日の日記
『NNNからの使者 あなたの猫はどこから?』(矢崎存美)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-18

2018年10月16日の日記
『NNNからの使者 毛皮を着替えて』(矢崎存美)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-16


 文芸アンソロジーでは、毎年恒例の『短篇ベストコレクション』、そして『たべるのがおそい』の第5号および第6号を読みました。読んだことのない作家に出会える喜び。


2018年07月19日の日記
『短篇ベストコレクション 現代の小説2018』(日本文藝家協会:編、小田雅久仁、三崎亜記、他)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-19

2018年04月12日の日記
『たべるのがおそい vol.5』(今村夏子、岸本佐知子、他、西崎憲:編集)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-12

2018年10月23日の日記
『たべるのがおそい vol.6』(深緑野分、石川美南、北野勇作、酉島伝法、他、西崎憲:編集)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-23


 海外翻訳小説はファン・ジョンウン『誰でもない』しか読んでいませんでした。ただでさえ年をとって視野が狭くなりがちなのに、これではまずいと反省しています。なお『誰でもない』は素晴らしかった。


2018年04月11日の日記
『誰でもない』(ファン・ジョンウン、斎藤真理子:翻訳)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-11



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2018年を振り返る(2)[ダンス公演] [年頭回顧]

 とにかく勅使川原三郎さんの公演を観た年でした。1月の『ピグマリオン』からスタートして、3月と4月にはそれぞれ別の『特別公演』、5月には『調べ』と『青い花』、6月は『白痴』、8月は『火傷の季節』、9月は『幻』、11月『読書』、12月には『月に憑かれたピエロ』と『黒旗』。

 ほぼ毎月、勅使川原三郎さんが踊っているのを観たことになります。もちろんその間にも海外公演が詰まっていたわけで、どれだけ仕事してるのかと。公演チラシで「二カ月ぶりの新作公演!」と宣伝していたのがすごかった。


2018年01月09日の日記
『ピグマリオン-人形愛』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-01-09

2018年03月05日の日記
『特別公演』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-03-05

2018年04月16日の日記
『特別公演』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-04-16

2018年05月07日の日記
『調べ -笙とダンスによる-』(勅使川原三郎、佐東利穂子、宮田まゆみ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-05-07

2018年05月28日の日記
『青い花』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-05-28

2018年06月18日の日記
『白痴』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-18

2018年08月27日の日記
『火傷の季節』(勅使川原三郎)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-08-27

2018年09月10日の日記
『幻』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-10

2018年11月12日の日記
『読書』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-11-12

2018年12月03日の日記
『月に憑かれたピエロ』『ロスト・イン・ダンス ―抒情組曲―』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-03

2018年12月25日の日記
『黒旗 中原中也』(勅使川原三郎)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-25


 小野寺修二さんの活躍も圧巻でした。『椿姫』『分身』という名作再演から、新作『斜面』『竹取』へと。色々な才能を結集してどんどん規模を広げながらも、持ち味をちゃんと維持しているところがいい。


2018年03月19日の日記
『椿姫』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-03-19

2018年03月20日の日記
『分身』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-03-20

2018年06月12日の日記
『斜面』(小野寺修二)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-12

2018年10月09日の日記
『竹取』(小野寺修二、平田俊子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-09


 井手茂太『排気口』、黒田育世『波と暮らして』、平山素子『DOPE』、伊藤郁女『私は言葉を信じないので踊る』、北村明子『土の脈』。いずれも独自の世界を構築する振付演出でインパクトを与えてくれました。『DOPE』は共演の加藤訓子さんによるライヒのソロ演奏が素晴らしく、後にCD化されて話題になったのも分かる大迫力でした。


2018年08月20日の日記
『排気口』(井手茂太、斉藤美音子、イデビアンクルー)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-08-20

2018年02月05日の日記
『another BATIK 『子どもたちの歌う声がきこえる』 『波と暮らして』』(黒田育世、佐多達枝)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-02-05

2018年02月06日の日記
『DOPE』(平山素子:ダンス、加藤訓子:パーカッション)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-02-06

2018年07月23日の日記
『私は言葉を信じないので踊る』(伊藤郁女、伊藤博史)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-23

2018年10月15日の日記
『土の脈』(北村明子)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-15


 近藤良平『18TICKET』、小㞍健太『optofile_touch』。ともに高い技術と演出力で安心して楽しむことが出来ました。『optofile_touch』では、話題のクリスタル・パイト振付演出を観ることが出来て感激です。


2018年06月05日の日記
『18TICKET』(構成・振付:近藤良平、コンドルズ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-05

2018年12月11日の日記
『optofile_touch』(Opto 渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻、他)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-12-11


 東京ELECTROCK STAIRS組というかKENTARO!!弟子筋というか、高橋萌登『未来永劫彼方より』と横山彰乃『ムーンライトプール』は、それぞれの持ち味が存分に発揮されていて、応援したくなる作品でした。


2018年06月04日の日記
『未来永劫彼方より』(高橋萌登)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-04

2018年06月11日の日記
『ムーンライトプール』(lal banshees、横山彰乃)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-06-11


 他に、多数の子どもゲストたちが活躍する古家優里『すばらしきあいまいな世界』、子育てのカオスを再現してみせた康本雅子『子ら子ら』、舞台も客席も二分割して片面しか目撃させないという工夫が効果的だったながめくらしつ『うらのうらは、』。それぞれ独自の工夫で印象に残っています。


2018年11月14日の日記
『すばらしきあいまいな世界』(プロジェクト大山、古家優里)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-11-14

2018年02月13日の日記
『子ら子ら』(康本雅子、小倉笑)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-02-13

2018年08月21日の日記
『うらのうらは、』(ながめくらしつ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-08-21


 海外カンパニーの来日公演としては、ダンサーの身体的障がいを巧みに活かした『マチュラン・ボルズ公演』、出演者全員が高齢者というサドラーズ・ウェルズ劇場カンパニー・オブ・エルダーズ『新作2018 トリプルビル』が、強烈な印象を残しています。


2018年09月26日の日記
『マチュラン・ボルズ公演』
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-26

2018年09月25日の日記
『新作2018 トリプルビル』(サドラーズ・ウェルズ劇場、カンパニー・オブ・エルダーズ)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-25


 観客に問いかけ、あるいは挑発する公演が多かったような気がします。難民問題を正面から扱ったサーカス・シルクール『LIMITS リミッツ』。必死にポワントで立って苦しんでいるダンサーを見て楽しむ残酷な娯楽ですよねバレエって、と挑発してくる『バレエ・ロレーヌ公演』。わざわざ劇場に集まって観客と出演者が一体となってカタルシスを味わうことで何か成し遂げた気分に浸るのは楽しいですか、と問いかけてくるジェローム・ベル『Galaーガラ』。


2018年10月22日の日記
『LIMITS リミッツ』(サーカス・シルクール)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-22

2018年09月18日の日記
『バレエ・ロレーヌ公演』
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-09-18

2018年01月22日の日記
『Galaーガラ』(ジェローム・ベル)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22


 民俗舞踊や民族の歴史をテーマにしながら、誰もが楽しめる派手なショーに仕立ててくれた公演も。ベトナムのLune Production『A O SHOW』、オーストラリア先住民のバンガラ・ダンス・シアター『Spirit 2018』『I.B.I.S』、そしてブランカ・リー『Solstice(ソルスティス)―夏至/冬至』も。


2018年02月26日の日記
『A O SHOW』(Lune Production)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-02-26

2018年11月13日の日記
『Spirit 2018』『I.B.I.S』(バンガラ・ダンス・シアター)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-11-13

2018年07月02日の日記
『Solstice(ソルスティス)―夏至/冬至』(ブランカ・リー)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-02


 ベテランの手際を見せつける公演としては、フィリップ・ドゥクフレ『新作短編集(2017) Nouvelles Pieces Courtes』、イスラエル・ガルバン『LA EDAD DE ORO 黄金時代』。ほとんどちからわざで観客を感動させるだけの熱量がありました。


2018年07月03日の日記
『新作短編集(2017) Nouvelles Pieces Courtes』(フィリップ・ドゥクフレ振付、カンパニーDCA)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-07-03

2018年10月29日の日記
『LA EDAD DE ORO 黄金時代』(イスラエル・ガルバン)
https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2018-10-29



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2018年を振り返る(1)[総括] [年頭回顧]

 日記を確認したところ、2018年に読んだ本は147冊でした。過去の推移を並べてみると、次のようになります。

2006年: 124冊
2007年: 145冊
2008年: 202冊
2009年: 206冊
2010年: 185冊
2011年: 208冊
2012年: 199冊
2013年: 214冊
2014年: 203冊
2015年: 200冊
2016年: 155冊
2017年: 152冊
2018年: 147冊

 十年前からだいたい年間200冊を読んできたのですが、ここ数年はめっきり読書力が落ちて、年間150冊を達成するのがやっという状態になり、昨年はついにそれすら達成できないという結果に。本を読まない人生をだらだら生きて死ぬのかと思うと寂しい悲しい。今年はもう少し頑張りたい。


 一方、ダンス公演を観るために劇場に足を運んだ回数は37回。過去の推移は次の通りです。

2006年: 26公演
2007年: 18公演
2008年: 21公演
2009年: 28公演
2010年: 22公演
2011年: 14公演
2012年: 36公演
2013年: 22公演
2014年: 32公演
2015年: 28公演
2016年: 29公演
2017年: 37公演
2018年: 37公演

 こちらは安定していますが、昨年と同じく、回数が増えたのは主に勅使川原三郎さんの公演を観るためにKARAS APPARATUSに通ったおかげです。今年もとにかく通う。



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2017年を振り返る(8)[サイエンス・テクノロジー] [年頭回顧]

 まず天文学関連では、宇宙終焉までのプロセスを詳しく解説した『宇宙に「終わり」はあるのか』(吉田伸夫)と、巨大ブラックホールの“直接撮像”に挑むプロジェクトを扱った『巨大ブラックホールの謎』(本間希樹)の二冊が印象に残っています。極端に長い時間、極端に強い重力、いずれも想像力を刺激されます。


2017年05月02日の日記
『宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで』(吉田伸夫)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-05-02

2017年05月18日の日記
『巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る』(本間希樹)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18


 物理学では、量子論にもとづく世界観を深堀りして解説してくれる、『時間とはなんだろう』(松浦壮)と『佐藤文隆先生の量子論』(佐藤文隆)の二冊に感銘を受けました。


2017年11月01日の日記
『時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体』(松浦壮)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-11-01

2017年10月18日の日記
『佐藤文隆先生の量子論 干渉実験・量子もつれ・解釈問題』(佐藤文隆)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-10-18


 地学、気象学まわりでは、中川毅さんの二冊が衝撃的でした。7万年分の年縞が連続的に保存されている「奇跡の湖」こと水月湖に挑んだ記録『時を刻む湖』と、気候変動の歴史を見つめる『人類と気候の10万年史』です。お勧めです。


2017年01月11日の日記
『時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち』(中川毅)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-01-11

2017年04月17日の日記
『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』(中川毅)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-04-17


 その他、スーパーカミオカンデによるニュートリノ振動の検出について解説した『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』(梶田隆章)、ムーやアトランティスなど「沈んだ大陸」伝説の検証から始まって実在する第七大陸「ジーランディア」の解説へと進む『海に沈んだ大陸の謎』(佐野貴司)の二冊にはわくわくさせられました。


2017年03月02日の日記
『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』(梶田隆章)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02

2017年09月05日の日記
『海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史』(佐野貴司)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-09-05


 生物学まわりでは、バイオロギングなどの技術を駆使することで判明した野生動物の意外な行動を紹介する『サボり上手な動物たち』(佐藤克文、森阪匡通)、マグロを産むサバの量産に挑む研究を紹介する『サバからマグロが産まれる!?』(吉崎悟朗)の二冊が面白かった。


2017年08月23日の日記
『サボり上手な動物たち』(佐藤克文、森阪匡通)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-08-23

2017年03月01日の日記
『サバからマグロが産まれる!?』(吉崎悟朗)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-03-01


 他にも、寄生生物の驚くべき生態をまとめた『したたかな寄生』(成田聡子)、生物進化史のなかでウイルスが果たしてきた役割を見つめる『ウイルスは生きている』(中屋敷均)の二冊には驚かされました。


2017年12月06日の日記
『したたかな寄生 脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様』(成田聡子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-12-06

2017年03月07日の日記
『ウイルスは生きている』(中屋敷均)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07


 医学、生理学まわりでは、痛覚と嗅覚という慣れ親しんだ感覚に関する最新知見をまとめた『痛覚のふしぎ』(伊藤誠二)と『「香り」の科学』(平山令明)の二冊が参考になりました。


2017年05月17日の日記
『痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム』(伊藤誠二)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-05-17

2017年08月08日の日記
『「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで』(平山令明)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-08-08


 言語学、脳科学の分野では、子どもの「言い間違い」から言語の仕組みをかいま見る『ちいさい言語学者の冒険』(広瀬友紀)と、脳の働きに関する思い込みを覆してゆく『あなたの脳のはなし』(デイヴィッド・イーグルマン)の二冊を楽しく読みました。


2017年11月08日の日記
『ちいさい言語学者の冒険 子どもに学ぶことばの秘密』(広瀬友紀)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-11-08

2017年10月04日の日記
『あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎』(デイヴィッド・イーグルマン、大田直子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-10-04


 最後に、450の研究室、3000人の研究者、500人の事務職からなる巨大研究機関である理化学研究所そのものを取材した『理化学研究所』(山根一眞)が、様々な意味で刺激的な一冊でした。


2017年04月25日の日記
『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』(山根一眞)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25



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