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『水上バス浅草行き』(岡本真帆) [読書(小説・詩)]

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君の夢だと分かったら好き勝手やるシンバルも投げるし笑う
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ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし
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くるみボタン、ぜんぶ胡桃になってたの だからこんなにリスがすごいの
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つまんでもつまんでも犬めくるめく抜け毛の季節こえてゆけ、犬
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「シンバルも投げるし」「傘もこんなにたくさんあるし」「リスがすごいの」
 はっとする新鮮なフレーズ、ポケモンやストリートビューなど身の回りにある現代的な題材から見つけてくる驚き。親しい友だちとのおしゃべりのような共感を覚える歌集。単行本(ナナロク社)出版は2022年3月です。


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天井の木目のねこの名前すら思い出せないくらいに大人
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沈黙の石焼き芋をゆっくりと割れば世界にあふれる光
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ポケモンと暮らしたかったコインパーキングの中にいるコイキング
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言い切れる強さがほしい「レターパックで現金送れ」はすべて詐欺です。
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ストリートビューで降り立つ真夏日の角を曲がればふいに積雪
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店長の気まぐれケーキの気まぐれの法則性に気づいてしまう
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人間はいつも勝手だ 愛犬をドクはふざけた車に乗せて
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星座にも干支にもならず土曜日のわたしの膝におさまった猫
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