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『リビングルーム』(インバル・ピント) [ダンス]

 2023年5月20日は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行ってインバル・ピントの公演を鑑賞しました。出演者2名、大半の時間は主演のモラン・ミュラーが踊る上演時間1時間の作品です。


[キャスト他]

振付・衣裳・舞台美術: インバル・ピント
オリジナル楽曲: マヤ・ベルシツマン
出演: モラン・ミュラー、イタマール・セルッシ


 ひさしぶりのインバル・ピントの公演です。以前に『DUST』を見てからすでに8年近く経っていることに驚きました。

 今作の舞台は不思議な壁紙で囲まれた室内(リビングルーム)。そこに住んでいるらしい女性(モラン・ミュラー)が白昼夢のような不思議な体験をします。出演者が基本的に一人なので観客はどうしてもそちらに目をやるわけですが、その隙をつくように、椅子が動き出したり照明器具が踊ったり、戸棚から人の手がそろりそろりと出てきたりと、奇妙なことが次々と。何か変だなと思って視線をそちらに向けたときにはけっこうびっくりします。

 全体的に不可解な夢のなかにいる感触がつよく、自分の身体が思うようにコントロールできなくなったり、感覚が混乱したり、そういった体験をダンスで表現してゆきます。途中からイタマール・セルッシが湧いてきて二人で喧嘩したりするわけですが、それも夢幻のよう。

 何が起きるか分からないヘンテコな世界に観客を巻き込んでゆく舞台。ひさしぶりに見たインバル・ピント作品ですがやっぱり好みだなと思いました。





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