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『SFマガジン2017年12月号 オールタイム・ベストSF映画総解説 PART2』 [読書(SF)]

 隔月刊SFマガジン2017年12月号の特集は「オールタイム・ベストSF映画総解説 PART2」でした。また、ブライアン・W・オールディス追悼として短編が再掲され、草上仁と早瀬耕の新作が掲載されました。


『花とロボット』(ブライアン・W・オールディス、小尾芙佐:翻訳)
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 それにSFなどというものは、所詮は人間の相い争うことの好きな性向の産物ではあるまいか? わたしはそう思う
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SFマガジン2017年12月号p.300

「J・G・バラードの言うとおりかもしれない、陳腐でさ、使い古されてる」
SFに対する率直な思いを打ち明けるような短編。60年代の代表作とされています。


『天岩戸』(草上仁)
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「そのう、おれたちが適任とは思えないんだがね。空き家に居座った山賊を追い払うってんなら、まだわかる。穴に籠ってるもののけを燻し出すのもいいだろう。しかし、女の子を一人、自分の部屋から引きずり出すなんてのは、どうも」
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SFマガジン2017年12月号p.309

「おれか? スサノオって風来坊さ」
 風来坊のスサノオは、引きこもりになった娘を部屋から出してほしいという依頼を受けるが……。古事記や日本書紀にある「岩戸隠れの伝説」を元にした痛快冒険譚。


『忘却のワクチン』(早瀬耕)
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「経済学部の人から、リベンジ・ポルノを完全に消し去りたいって依頼されたんです」
「ここは、便利屋じゃない」
(中略)
「そうなんですけれど、私ひとりじゃ、何もしてあげられないし。口が硬くて、そういうことができそうな人は藤野教授か南雲さんしか思いつかなくて」
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SFマガジン2017年12月号p.333、334

「過去を書き換えられるなら、ぼくは、彼女のために、どれくらいの代償を払うだろう?」 ネットに流出したリベンジ・ポルノの完全消去という無理難題に取り組むはめになった南雲は、うまい手を思い付くが……。

 SFマガジン2016年2月号に掲載された『有機素子板の中』、SFマガジン2016年6月号に掲載された『月の合わせ鏡』、SFマガジン2017年8月号に掲載された『プラネタリウムの外側』、に続く連作シリーズ第四弾。現実に可能ではないかと思わせるような巧みなアイデアが投入されていますが、過去、記憶、仮想、その境界が揺らいでゆく様はやはりこの連作特有の味わい。
 解説によると「書き下ろしの第5作を加え、来年早々には書籍化の予定」とのこと。



タグ:SFマガジン
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