2014年を振り返る(3) [SF・ミステリ] [年頭回顧]
2014年を振り返る(3) [SF・ミステリ]
2014年に読んだSF・ミステリなどジャンル小説のうち、印象に残ったものについてまとめてみます。なお、あくまで「2014年に私が読んだ」という意味であって、出版時期とは必ずしも関係ありません。
まず、個人的に気になっていた新人が、デビュー単行本を出してくれました。
『うどん キツネつきの』(高山羽根子)
『サムライ・ポテト』(片瀬二郎)
どちらも短篇集ですが、読んでいて楽しい作品ばかり。どこかとぼけた雰囲気で読者をけむに巻きつつ感動させる高山羽根子さん、強引な状況設定でぐいぐい引っ張ってゆく片瀬二郎さん。今後への期待がもりもり高まります。
一方、さすがベテランというか、安定した面白さでは、次の作品が印象に残りました。
『妖怪探偵・百目1 朱塗りの街』(上田早夕里)
『とっぴんぱらりの風太郎』(万城目学)
『機龍警察 未亡旅団』(月村了衛)
『土漠の花』(月村了衛)
妖怪、忍者、戦闘メカ。仕掛けは伝統的ながら、現代の娯楽小説として驚くほど洗練されており、とにかくどれも夢中になって読みました。いいよなあ。
さて、本格SFの話。何と言っても、次の作品が素晴らしかった。
『深紅の碑文(上)(下)』(上田早夕里)
『オービタル・クラウド』(藤井太洋)
『火星の人』(アンディ・ウィアー)
遠未来の海洋、軌道上、火星。それぞれに印象的な舞台を用意して、何かを成し遂げようと必死に頑張る人々の姿をリアルに描いた作品ばかり。いずれも爽やかな感動を覚えます。なかでも『火星の人』の、明るい理詰めサバイバルには好感を持ちました。
本格SFというより「SF読みのためのSF」というか、メタSFというべきひねくれた二冊にも忘れがたいものがありました。
『レッドスーツ』(ジョン・スコルジー)
『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』(チャールズ・ユウ)
自分が安っぽいSFの登場人物だということを強く意識している主人公の葛藤が愉快というか、なぜか身につまされるというか。
それと、ミステリなのかホラーなのか実はSFなのか、にわかには判断できない次の一冊、その一発ネタは凄かった。
『パインズ 美しい地獄』(ブレイク・クラウチ)
さて、SFアンソロジーの出版点数はそれなりに落ち着きましたが、質の高いものが次々と出てもう大喜び。必読と思えるのは次の5冊。
『書き下ろし日本SFコレクション NOVA+ バベル』
『さよならの儀式 年刊日本SF傑作選』
『SFマガジン700【国内篇】 創刊700号記念アンソロジー』
『SFマガジン700【海外篇】 創刊700号記念アンソロジー』
『黒い破壊者 宇宙生命SF傑作選』
これからSFを読んでみようかと思っている人がいたら、とりあえず上の5冊を黙って薦める、というのが良いのではないでしょうか。
個人的にホラーはほとんど読まないのですが、たまたま手にとって魅了されたのが次の二冊。
『短篇小説日和 英国異色傑作選』
『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』
古い怪奇小説のアンソロジーですが、思わず舞い上がってしまうような古典名作がいくつも散りばめられていて、感涙ものでした。
2014年に読んだSF・ミステリなどジャンル小説のうち、印象に残ったものについてまとめてみます。なお、あくまで「2014年に私が読んだ」という意味であって、出版時期とは必ずしも関係ありません。
まず、個人的に気になっていた新人が、デビュー単行本を出してくれました。
『うどん キツネつきの』(高山羽根子)
『サムライ・ポテト』(片瀬二郎)
どちらも短篇集ですが、読んでいて楽しい作品ばかり。どこかとぼけた雰囲気で読者をけむに巻きつつ感動させる高山羽根子さん、強引な状況設定でぐいぐい引っ張ってゆく片瀬二郎さん。今後への期待がもりもり高まります。
一方、さすがベテランというか、安定した面白さでは、次の作品が印象に残りました。
『妖怪探偵・百目1 朱塗りの街』(上田早夕里)
『とっぴんぱらりの風太郎』(万城目学)
『機龍警察 未亡旅団』(月村了衛)
『土漠の花』(月村了衛)
妖怪、忍者、戦闘メカ。仕掛けは伝統的ながら、現代の娯楽小説として驚くほど洗練されており、とにかくどれも夢中になって読みました。いいよなあ。
さて、本格SFの話。何と言っても、次の作品が素晴らしかった。
『深紅の碑文(上)(下)』(上田早夕里)
『オービタル・クラウド』(藤井太洋)
『火星の人』(アンディ・ウィアー)
遠未来の海洋、軌道上、火星。それぞれに印象的な舞台を用意して、何かを成し遂げようと必死に頑張る人々の姿をリアルに描いた作品ばかり。いずれも爽やかな感動を覚えます。なかでも『火星の人』の、明るい理詰めサバイバルには好感を持ちました。
本格SFというより「SF読みのためのSF」というか、メタSFというべきひねくれた二冊にも忘れがたいものがありました。
『レッドスーツ』(ジョン・スコルジー)
『SF的な宇宙で安全に暮らすっていうこと』(チャールズ・ユウ)
自分が安っぽいSFの登場人物だということを強く意識している主人公の葛藤が愉快というか、なぜか身につまされるというか。
それと、ミステリなのかホラーなのか実はSFなのか、にわかには判断できない次の一冊、その一発ネタは凄かった。
『パインズ 美しい地獄』(ブレイク・クラウチ)
さて、SFアンソロジーの出版点数はそれなりに落ち着きましたが、質の高いものが次々と出てもう大喜び。必読と思えるのは次の5冊。
『書き下ろし日本SFコレクション NOVA+ バベル』
『さよならの儀式 年刊日本SF傑作選』
『SFマガジン700【国内篇】 創刊700号記念アンソロジー』
『SFマガジン700【海外篇】 創刊700号記念アンソロジー』
『黒い破壊者 宇宙生命SF傑作選』
これからSFを読んでみようかと思っている人がいたら、とりあえず上の5冊を黙って薦める、というのが良いのではないでしょうか。
個人的にホラーはほとんど読まないのですが、たまたま手にとって魅了されたのが次の二冊。
『短篇小説日和 英国異色傑作選』
『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』
古い怪奇小説のアンソロジーですが、思わず舞い上がってしまうような古典名作がいくつも散りばめられていて、感涙ものでした。
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