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『トンデモフリーメイソン伝説の真相』(皆神龍太郎、有澤玲) [読書(オカルト)]

 世界を裏から支配している秘密結社だ、などと噂されるフリーメイソンの、というかそのトンデモ伝説の真相を探る一冊。

 読む前は、歴史やら参入儀式やら位階やら細かい情報がぎっちり詰めこまれている本ではないかと思ってちょっと敬遠していたのですが、読んでみると、子細は他の本に任せることにしたらしく、情報は最小限にとどめた上で主に「なぜ陰謀論のネタにされるのか。実のところその真相はどうなのか」というこちらの知りたいポイントに的を絞って解説されており、すらすらと楽しく読むことが出来ました。

 「伝説」で興味を引き「真相」で脱力させる、トンデモ真相シリーズの定型に沿って、アレな噂の真相が次々と明かされてゆきます。

 「坂本龍馬はメイソンだった」、「切り裂きジャックはメイソンだった」、「モーツァルトはフリーメイソンの秘密をもらしたせいで暗殺された」、「メイソンは秘密の握手で仲間を識別する」、「アメリカ合衆国はフリーメイソンが創った」、「1ドル紙幣の裏にはフリーメイソンの紋章が」、「フリーメイソンの起源はテンプル騎士団だ」、「いやマヤの古代文明だ」、「いやアトランティス大陸だ」、「いやモンティ・パイソンの建築家スケッチだ」

 海外事情や歴史的経緯など詳しい情報も書かれており、興味本位で気軽に読むことも出来るし、真面目に勉強するための最初の入門書としても活用できそうです。

 オカルトネタ好き連中が居酒屋や喫茶店に集まって中世フリーメイソンをまねた「ロッジごっこ」を始めたのが英国の近代的フリーメイソンの起源である、というのは本書で初めて知りました。

 うーん、私も参加している「Spファイル友の会」という組織も、寸分違わぬノリで「猫ロッジ」で秘密の集会を開いたりしてますが、ひょっとしたら百年後には「世界を闇で操っている」と噂される秘密結社に発展しているかも知れませんね。


タグ:と学会
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