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『英国ロイヤル・バレエの夕べ』(マーゴ・フォンティーン、ルドルフ・ヌレエフ) [映像(バレエ)]

 ヌレエフとフォンティーン、伝説のパートナーとして知られている二人が踊る姿をおさめた貴重な映像がDVD化されたというので観賞しました。収録は1963年、ヌレエフが亡命した2年後、英国ロイヤルバレエで踊り始めたばかりの頃です。

 なにしろ45年前の映像ですから状態を心配していたのですが、一部に色あせや小雨がぱらついている部分があるものの全体的には良好で、特に気にはなりませんでした。

 さて見どころですが、何と言ってもまずはマーゴ・フォンティーンとルドルフ・ヌレエフによる『海賊』のパ・ド・ドゥでしょう。まるで十代の少女のように可愛らしく可憐に踊るフォンティーン。このとき既に40代なかばのはずなんですが、とてもそうは見えません。対するヌレエフも気合の入った若々しい跳躍で観客を魅了します。

 現代の観客から見ると二人ともテクニックは大したことはないのですが、そんなことはどうでもいいと感じさせるパワーに満ち満ちています。見ていて非常に気持ちいいバレエです。特にフォンティーン、いかにもきちんとした、指先まで気を配っている感じが素敵で、細かい仕種がまたいちいち魅力的。

 あ、吉田都さんの先輩なんだ、同じ伝統を受け継いでいるんだ、という印象を受けます。まあそれは先入観のせいかも知れませんが、フォンティーンと吉田都さんがダンサーとしてタイプが似ているのは確かだと思います。

 他に、『レ・シルフィード』でシルフを踊っているフォンティーンも可憐でいいのですが、やはり楽しいのは『眠れる森の美女』の第3幕。フォンティーンは、上品かつ可愛らしく、やや早いテンポで小気味よい切れ味のオーロラ姫を踊っています。アントワネット・シブレーとブライアン・ショウが踊った「青い鳥のパ・ド・ドゥ」も爽快感あふれるパフォーマンスで盛り上げてくれます。

 歴史的価値もさることながら、まずバレエ映像として素直に楽しめるDVDでした。


「収録作品」

『レ・シルフィード』

 マーゴ・フォンティーン、ルドルフ・ヌレエフ

『海賊』のパ・ド・ドゥ

 マーゴ・フォンティーン、ルドルフ・ヌレエフ

『ラ・ヴァルス』

 英国ロイヤル・バレエ団

『眠れる森の美女』より第3幕

 マーゴ・フォンティーン、デヴィッド・ブレア
(フロリナ王女:アントワネット・シブレー、青い鳥:ブライアン・ショウ)

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