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『うなされ上手』(中川いさみ) [読書(随筆)]

 漫画家中川いさみの初エッセイ集とのことで、エッセイコミックだろうと思って買ってみたら、文章でした(本人のイラスト付き)。「Weekly ぴあ」に連載されたものだそうです。単行本出版は2005年2月。

 えー、内容を一口で紹介するのは困難なので、引用で誤魔化してみましょう。『真夜中の音』という作品より冒頭部。

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 真夜中の音は気になる。どんな小さな音でも、気にし始めるとどんどん気になってくる。

 よく言われるのが冷蔵庫の音だ。突然ぎゅういいいいんとか言い出す。びっくりする。いま「ぎゅういいいいん」と書いて変換したら、「牛言い委員」と出た。「牛言い委員」って何だ!? どーゆー委員だ!?

「じゃ、今日欠席の中川君は、「牛言い委員」に決定しました。」

 いやだ、休んでいる間にそんなものに勝手に決められたらやだ! 牛になんか言うのか? 学校にあまり出てこない牛を説得しに行くのか? 教室でうんこしないようにとか注意するのか? よだれ拭いた方がいいよとかアドバイスする役か? 誰がやるか、ふざけやがって!
(単行本p.48)
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 基本は「妙なことが気になって仕方がない」系のエッセイですが、すぐに社会問題に対する怒りの告発にすり変わってしまうというのがパターン。カバーの紹介にも「ストレスの多い現代社会を一刀両断!」とあります。

 どう見ても中川いさみさんの漫画と同じ芸風なので、ファンなら確実に気に入るはず。そうでない人は、まあ、どうせ読まないでしょう。

 どうでもいい個人的な感覚ですが、「妙なことが気になって仕方ない」系の代表である岸本佐知子さんのエッセイ集と比べると、岸本さんの方が遥かに天然度が高いと思います。

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