『愚者の道』（中村うさぎ）

　買い物依存症、ホスト狂い、美容整形マニア、さらには性風俗嬢と、「決して満たされることのない狂おしい欲望」のままに突っ走ってきた中村うさぎが、自らを「愚者」と位置づけた上で、その暴走人生を振り返って何とか総括しようと試みたエッセイ集。

　自分はどうしてこういう生き方をするのか、そうしないではいられないのか。考えに考えるんですが、いつも堂々巡りに陥ってしまう様です。読んでるだけで辛そうで苦しそうで、読者もちょっと鬱になります。

　まあ、彼女の「自分探し」の迷宮には深入りしないで、単に作家が赤裸々に自らの人生を語ったエッセイとして楽しむだけにしておいた方がいいかも知れません。

　そういう点では、子どもの頃のこと、両親のこと、最初の夫のこと、読者や編集者や他の作家からの反応、２ちゃんねらーたちとの喧嘩、など話題は豊富。作家・中村うさぎの今を知ることが出来る一冊です。

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