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『暴走老人!』(藤原智美) [読書(随筆)]

 モンティ・パイソンのTVシリーズで、確か“ジジバッバ軍団の暴走”みたいなネタがあったかと記憶しています。不良老人たちが徒党を組んで街を荒し回り、若者を集団暴行したりするやつ。

 昨今の日本では、ギャグでなく本当に、ささいなことで激昂して暴れる老人が増えているような気がしませんか。それこそ「荒れる若者」なんかより、「キレる老人」を見かけることの方が多いように感じます。

 本書は「窓口で怒鳴り散らす老人」「マナーの悪い若者に殴る蹴るの暴行を加える老人」「ささいなことでつかみ合いの喧嘩を始める老人たち」といった観察からスタートして、老人たちはいったい何に苛立っているのかを考察した本です。

 どうやら著者は、時代の変化、社会環境変化のスピードがこれまでになく早まった結果、高齢者が“置いてきぼりにされる”という漠然とした恐れを感じ、それが強いストレスになっているのではないかと考えているようです。

 しかし、その仮説を筋道立てて論証してゆく本ではありません。むしろ老人をめぐるあれやこれやの雑文を無造作に詰め込んだ印象が強く、読了しても理解が深まった気にはならないのが残念です。

 ともあれ、私もあと20年くらいして飼い猫も亡くなったら、老人であることをかさにきて、コンビニでバイトしている若者を怒鳴り散らしたり、隣近所にしつこく嫌がらせをしたり、高速道路を逆走したり、思う存分暴れてやりたいと思いました。読み方が間違っています。

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