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『ドン・キホーテ』(ニーナ・アナニアシヴィリ) [映像(バレエ)]

 以前(2007年05月01日)に観た"Art of the Pas De Deux Vol.2"のラスト演目、ニーナ・アナニアシヴィリが踊るキトリが超絶的に凄かったので、全幕を観てみようと思って購入。

 NHKホールで収録した、1992年の来日公演の映像です。バレエ団は、ロシア国立チャイコフスキー記念ペルミ・バレエ。

 まず、ニーナ以外は正直言って壊滅的で、特に群舞は「どこのバレエ学校の発表会ですか」というレベルで、落胆しました。技術レベルうんぬん以前に、やる気が感じられません。

 脇役も存在感が薄く、ドン・キホーテにちっともカリスマ性がないというのが悲しい。ちょっといいな~と思ったのは、陽気な花売り娘二人(キトリの友人)くらいです。

 『ドン・キホーテ』という演目は、華やかな群舞で会場がわっと盛り上がったところで主役登場、という段取りが大切なんですが、この群舞はかえって主役の足をひっぱっていたような気がします。

 さて、肝心の、ニーナが踊るキトリ。

 前述したガラ公演のときほど無茶苦茶はしませんが(当然)、驚くほどのテクニックを見せてくれます。

 踊りに華があるというか、長い手足を十分に使って、安定感がある上にスケールの大きいバレエを繰り出しています。一つ一つの動きに「咲き誇る大輪の花のような」という慣用句が似合います。

 特に旋回は素晴らしく、観ていて「おおっ」と声をあげてしまうほど。でもリフトの途中にまで旋回を入れるのはやりすぎではないでしょうか。

 しかし、う~ん、個人的には、何だか踊りが雑な気がして、好みではないんですよ。雑に感じるのはロシア・バレエに慣れてないせいかも知れませんが。

 そういや、音楽から微妙に遅れて大きく足を振り上げるところとか、マイヤ・プリセツカヤのキトリを彷彿とさせる動きです。ロシア・バレエの伝統ということなんでしょうか。

 というわけで、全体的に、ニーナ・アナニアシヴィリのファンなら大喜びしそうな映像です。そうでない人(私とか)にとっては、不満が残る公演でした。

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