SSブログ

『右翼と左翼』(浅羽通明) [読書(教養)]

 普段、何気なく使っている「右翼」「左翼」という言葉ですが、これがよく考えると何が何だか分かりません。

右翼=国粋主義、軍国主義、改憲派、保守派、街宣車
左翼=個人主義、平和主義、護憲派、革新派、火炎瓶

あるいは

右翼=知性が欠落してるから何を仕出かすか分からない乱暴者
左翼=性根が腐っているから何を仕出かすか分からない卑怯者

というイメージが漠然とあるんですが(私だけ?)。

 欧州では「左翼」はバリバリの戦闘派のイメージだし、韓国では「右翼」が自由のために軍事政権の手先に火炎瓶投げてたし、米国なんか何が何だか分からないし、いったい右・左って何?

 というわけで、読んでみました。浅羽通明さんの『右翼と左翼』

 思ったよりずっと分かりやすい本です。でも内容は充実していて、フランス革命からロシア革命、冷戦、といった世界史上の位置づけ。日本における戦前戦後の右翼・左翼。現代日本における位置づけ。丁寧に順を追って解説してくれます。

 おかげ様で、ようやく理解できるようになりました。あと、何でこの言葉が混乱しているのかも。つまり、とうに思想闘争なんて終わって本質的な対立軸は消えてしまい、言葉の実体が失われているせいなんですね。

 著者は「本書など誰にでも書けるといえましょう」と謙遜していますが、というより小難しい専門的な哲学的論争に明け暮れ一般の人々に分かるように説明する労を惜しむ偉いセンセイ方への厭味をバリバリ飛ばしていますが、いやこれだけ分かりやすく解説するのは誰にでも出来る仕事じゃありません。

 というわけで、私と同じように混乱している人に最適な入門書です。右や左の旦那様にお勧めします。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0