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『ねにもつタイプ』(岸本佐知子) [読書(随筆)]

 ニコルソン・ベイカーとか、あそこら辺の変な作家の変な本を訳している変な翻訳家の変なエッセイ集です。著者紹介に「あんな本を訳したのは、やっぱりこんな人でした」と書かれてしまう人。

 世の中の「約束事」やら「空気」が読めず、マイペースでしか生きられない著者の姿が、可笑しいやら、いとしいやら、切ないやら、とにかく心の底から笑える本です。

 と、前作『気になる部分』の感想に書きましたが、今作も全く同じ。素晴らしくプリティなエッセイ集です。電車の中で読んでいて、あまりの面白さに危うく乗り過ごしてしまうところでした。

 前作を読んだときは、大喜びしつつも、こんなエッセイ集はもう二度と書けない(ネタを出し切った)だろうなあと思ったものですが、何の何の、世界から浮き続ける著者の小さな悲しみと大いなる安堵感、妄想と夢想には限りがないようです。3冊目も出てほしい。

 未読の方は、この機会に『気になる部分』『ねにもつタイプ』2冊を一気読みすることをお勧めします。きっと、何かが吹っ切れて人生楽になります。

タグ:岸本佐知子
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