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『ゴジラとアメリカの半世紀』(ウィリアム・M・ツツイ) [読書(教養)]

 この本、書店で見かけたときは、帯に書いてある「米国歴史学者による日本のポップカルチャー研究」という紹介を読んで、ああ、またぞろ「記号」だの「メタファ」だの「シンボル」だの「深層」だのといったくだらない用語を並べ立てた、退屈な学術書モドキだろうと思って、素早く棚に戻したのです。

 ところが、その後、新聞の書評やらで「ハーバード大学とオックスフォード大学を卒業したゴジラファンが節度を失って暴走した本」などと書かれていたので、がぜん興味がわいてきて、購入しました。

「九歳だった頃、私はゴジラになりたいと思った」

 いきなり冒頭からこれですよ。1963年生まれ。

 この本、前半は、まあ、退屈です。ゴジラ第一作のストーリーやら、その後のシリーズ展開やら、誰でも知ってる常識的なことをくどくど説明してくれます。(米国の読者は非常識だと思っているのかも知れません)

 ところが、これが、後半に入るとすごく面白くなるんです。

 まず、米国においてゴジラがどのように輸入され、広まっていったのかが説明されます。その後、現代の米国ポップカルチャーにどれくらい広くゴジラが浸透しているかを紹介し、続いて米国のゴジラファン達の様子、コンベンションのレポートが続きます。

 さらに、話はガメラや大魔神、ガッパにギララ、欧州の怪獣映画、そして韓国のアレとか、北朝鮮のアレとか、米国のアレとか、ひたすら怪獣映画談義に陥ってゆくあたり、どこでも同じやな~と。

 個人的には、後半は知らない情報が多く、すんごく新鮮でした。

 知らない情報と言えば、アルカイダ幹部の証言で「ウサマ・ビンラディンはUSA版ゴジラを観た」ということが分かった、という思いっきり怪しい話なんかも書かれています。そうか、それが動機だったのか。

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