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『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイド』(乗越たかお) [読書(教養)]

 コンテンポラリーダンスのガイドブックです。読みやすくて面白い紹介文が満載。

 コンテンポラリーダンスに関する文章と言えば、ともすると難解というか、仏現代哲学風というか、精神世界的というか、編集者が涙目で修正してようやく活字化にこぎ着けた電波文というか、とにかくよく分からない悪文が多いような気がするんですが(あくまで気がするだけです)、このガイドはそこら辺ひとあじ違います。

 まず、コンテンポラリーダンスとは何か、という説明からして分かりやすい。

「バレエじゃなく、モダンダンスでもなく、なんとなく新しい、あのへんのダンス」

 何となく分かりました。

 そして、いきなりベジャールの紹介がこれです。

「ダサさと紙一重のカッコよさと紙一重のやっぱりダサさ?」

 今、我が家でブームのマッツ・エックの紹介はこう。

「『しょぼくれた振り付け』は独特で、作品に絶妙の味わいをもたらしている」

 康本雅子さんに至っては。

「誰とも違う。予想がつかない。上から見るとハムスターの目になる。それが康本」

 読み物としても充分に面白く、にやにやしながら読んでいるうちに、無性に舞台を観たくなってくる、お見事としか言いようのない素晴らしいガイドブックです。

タグ:乗越たかお
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