『笑酔亭梅寿謎解噺』(田中啓文) [読書(ファンタジー・ミステリ・他)]
田中啓文さんと言えば『UMAハンター馬子』ですが(そうか?)、こちらも同じく師弟モノです。と言っても、もちろん、大阪のおばはんも、萌えっ娘も、オゴポゴもチュパカブラもツチノコも出てきません。落語家である頑固ジジイと、半ば無理やり弟子入りさせられたトサカ頭の不良少年のお話です。そして伝奇小説でも怪生物小説でもなく、一応ミステリーとなっています。(もちろん駄洒落・・・じゃなくて地口は健在です)
これは連作短編集で、毎回、古典落語がお題になっていて、それにちなんだ謎解きが行われますが、まあ読み進むうちにそういうことはどうでもよくなってきます。最初「ベタな設定やなあ」とか思ってたんですが、段々と主役の不良少年に感情移入しちゃうんですね。それこそ古典落語の人情噺みたいに。
今まで田中啓文さんの作品を他人に勧めるときには、心の中でそっと手を合わせて“すまん、堪忍や。騙されて買うてくれ”とつぶやいていたわけですが、この本に関する限りそんな遠慮は必要ありません。堂々と「すまん、堪忍や。騙されて買うてくれ」と口にすることが出来ます。それだけの傑作です。ええもん読ましてもらいました。
これは連作短編集で、毎回、古典落語がお題になっていて、それにちなんだ謎解きが行われますが、まあ読み進むうちにそういうことはどうでもよくなってきます。最初「ベタな設定やなあ」とか思ってたんですが、段々と主役の不良少年に感情移入しちゃうんですね。それこそ古典落語の人情噺みたいに。
今まで田中啓文さんの作品を他人に勧めるときには、心の中でそっと手を合わせて“すまん、堪忍や。騙されて買うてくれ”とつぶやいていたわけですが、この本に関する限りそんな遠慮は必要ありません。堂々と「すまん、堪忍や。騙されて買うてくれ」と口にすることが出来ます。それだけの傑作です。ええもん読ましてもらいました。
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