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『May B』(マギー・マラン、カンパニー・マギー・マラン) [ダンス]

 2022年11月19日は夫婦で埼玉会館に行ってマギー・マランの代表作を鑑賞しました。さいたま芸術劇場が大規模改修工事中ということで埼玉会館で上演されたもので、この劇場にゆくのははじめて。

 前にマギー・マラン作品を観たのは2013年06月の『Salves サルヴズ』ですから、もう10年近くの歳月が流れています。『May B』は今から40年以上前、1981年に初演され、その後のコンテンポラリーダンス作品に大きな影響を与え続けている伝説的な作品。ほとんど言葉を使うことなくサミュエル・ベケットの不条理演劇をやってみせるというダンスシアターで、私たちは初見です。

 ダンサーたちが統一感のある美しい身体をもって美しいダンスを踊る、というのが当たり前だった時代に、年齢や性別や身長やスタイルがバラバラなごく普通(に感じられる)身体の出演者たちが踊る。しかもそのダンスは「背中をかく」「腰に手を当てて背伸びする」「前かがみになって尻を振る」「つかみあいの喧嘩」といった日常的で誰にも覚えがある動きから構成されており、いわゆるダンス的な美しい動きではない。「ごく普通の人々がごく普通に動いている」ことがダンスになる。コンテンポラリーダンスに決定的な影響を与えたというのも納得できるスタイルです。

 最初は同じ衣装を着て無個性なゾンビ集団めいて感じられた出演者たちが、やがてそれぞれの服装になって、個別の事情や人生を感じられるようになってゆく。ごく小さなドラマが連続し、やがてひとりまたひとりと舞台から消えてゆく。最後にひとりとり残される男。予想していたよりずっと感動的な作品で、最後は胸がしめつけられるような感傷的な気持ちになりました。





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