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『錆からでた実』(束芋、森下真樹、鈴木美奈子) [ダンス]

公演パンフレットより
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『錆からでた実』との付き合い、丸3年になります。
2013年青山円形劇場、2014年京都芸術劇場を経て作品は一度は完成したのかもしれませんが、完成したら終ってしまいます。永遠につくり続けるサグラダファミリアのように、この作品にも完成はないのかもしれないという願望があります。
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森下真樹


 2016年7月10日は、夫婦で東京芸術劇場に行って束芋さん(美術)と森下真樹(振付)のコラボレーションによる映像芝居『錆からでた実』を鑑賞しました。

 初演を観てから3年。あのとき、きたまりさんが青山円形劇場の舞台上で「ここ、なくなっちゃうの?」と呟いた通り閉館されてしまったり、まあ色々とありました。ちなみに、初演鑑賞時の紹介はこちち。

  2013年10月28日の日記
  『錆からでた実』
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28

 今回は再演というわけではなく、ほぼ完全に作り直した新作となっています。初演では三名が踊りましたが、今作で踊るのは鈴木美奈子さん一人。森下真樹さんは振付に専念し、束芋さんが美術だけでなく構成と演出も担当しています。ちなみに、最初と最後のシーンで、束芋さんは鍵盤打楽器による演奏にも参加していました。


[キャスト他]

構成・演出・美術: 束芋
振付: 森下真樹
ダンス: 鈴木美奈子
音楽: 粟津裕介、田中啓介


 ぼんやりとした、薄暗い、少し怖い、夢のような、束芋さんの美術が半透明スクリーンに投影され、鈴木美奈子さんがその手前で踊ったり、その背後で踊ったり、ときに映像が彼女の服(白いワンピース)に投影されたり、照明の具合で映像の向こうに演奏者(粟津裕介、田中啓介)の姿が浮かび上がったりして、映像とダンスと音楽が一体化した舞台が展開してゆきます。

 執拗に繰り返される断片的イメージ(白い鳥、畳、箱、など)と、ミニマル・ミュージック風の音楽がうまく調和していて心地好いのですが、個人的にはダンスが面白くなくて不満。音楽や映像を邪魔しないように、調和するように、という配慮なのでしょうが、特に感慨をうまない無色の動きばかりに思えて、どうにも欲求不満がつのります。初演時の川村美紀子さんの印象が強すぎて無意識に比較してしまうせいかも知れませんが。



タグ:森下真樹
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