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『ロミオとジュリエット』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 昨日(2011年09月23日)は、シェイクスピアを原作とするカンパニーデラシネラ(構成・演出:小野寺修二)の新作を観るために、夫婦で「IID 世田谷ものづくり学校」に行ってきました。

 廃校となった中学校を再利用した場所です。ごく狭い室内に観客が約60名、出演者6名。かなり「満員」という感じで、目の前でパフォーマンスが行われるというより観客も含め室内全てが舞台という方が正確。ちなみに役者にいきなり話しかけられたり、小道具を手渡されたり、舞踏会や葬儀の参加者に見立てられたりと、観客も「参加」が求められます。

 これまでに観たことがある小野寺修二さんの作品といえば、マイムを中心にダンスや演劇が渾然一体となった公演ばかりでしたが、今作は特に演劇的要素が強くなっています。ストーリー展開もセリフもかなり原作に忠実。ちなみにセリフは松岡和子さんの新訳(ちくま文庫)が使われていますので、あらかじめ読んでおくことをお勧めします。

 もちろん、唐突に始まるマイムやダンス、指人形劇、わざとテンポや間合いを外したセリフなど、小野寺さんらしい演出はいつもの通り。全体的にシリアスな雰囲気でありながら、あちこちで笑いが起こります。

 複数の出演者がシンクロして動くシーンの気持ちよさ。玩具や野菜などを使った「見立て」の面白さ。文字通り机上で行われる場面転換など、思わず喝采を送りたくなる気の利いた演出も素敵でした。

 原作では「二時間の舞台で繰り広げ」(松岡和子訳)と口上が述べられるのですが、小野寺版の公演時間は約1時間。当然のように早回しで話は進み、長引きそうなシーンはダンスできびきび表現。最初から最後まで全速力で駆け抜ける忙しい舞台です。

 今回の作品は、「『劇場』ではない場所での空間の持つ特性を生かした作品作りを試みる新シリーズ、デラシネラβ」とのことで、けっこう新鮮でした。これからの展開を期待したいと思います。

[キャスト]

構成・演出: 小野寺修二
美術: 石黒猛
出演: 大庭裕介、河内大和、斉藤悠、菅彩夏、藤田桃子、小野寺修二


タグ:小野寺修二
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