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『スパルタクス Spartacus』(グリゴローヴィチ振付、カルロス・アコスタ、ボリショイバレエ) [映像(バレエ)]

 来月はいよいよ英国ロイヤルバレエ団の来日公演。吉田都さんの舞台はチケット取れませんでしたが、ええ、もうどうやったって取れませんでしたが、張り切ってカルロス・アコスタを観に行きますよ。

 というわけで、予習をかねて、2008年に収録されたカルロス・アコスタの新しめの舞台映像を鑑賞。演目は、ユーリー・グリゴローヴィチの代表作の一つ『スパルタクス』、もちろんボリショイバレエ団です。

 ブルーレイなので画質は非常に良い。筋肉の力み感や皮膚のしわの感じまでばっちり再現されています。ただ、そのために衣装の安っぽさ、剣とか鎧の偽物チープ感まで、やたらリアルに伝わってくるのが残念。

 カルロス・アコスタは元気一杯で跳ねてました。際立つテクニック、エネルギーあふれるような、きびきびした気持ちいいダンスです。観ていて爽快。ただ、ご本人の魅力である品の良さ、明るさが前面に出ていて、前半の反乱まではいい感じなのに、後半の鎮圧シーンの悲劇的盛り上がりがいま一つに感じられました。

 以前に映像で観たイレク・ムハメドフの舞台は、もう最初から悲壮感、壮絶感あふれていて悲劇一色で圧倒してきたので、比べてしまうとちょっと迫力不足かも。

 スパルタクスの妻、フリーギアを踊ったニーナ・カプツォーワ(Nina Kaptsova)も素晴らしく、すらりと伸びた長く美しい(グリゴローヴィチ的な)脚、びくともしない強靱な姿勢保持、男性ダンサーの肩の上に片手倒立する(フィギュアスケートのペア部門で高得点が期待できそうな)無茶リフトもなんなくこなしていて、何ともカッコ良かった。

 作品としては、うーん、グリゴローヴィチ。スペクタクルというか見せ物的な娯楽性に富んでいて、男性群舞が派手で、マクミランらと同時代の作品とは思えない田舎芝居的な大仰で古くさい演出も気にかかりますが、まあ女性の露出と煽情的なシーンが多い(これは堕落したブルジョワのあさましい姿を見せることで観客の革命的精神を鼓舞するための演出なのであります、閣下。もちろんだ、よく分かるともグリゴローヴィチ同志)ところがよろしいんじゃないでしょうか。

[出演]

カルロス・アコスタ(スパルタクス)
ニーナ・カプツォーワ(フリーギア)
アレクサンドル・ヴォルチコフ(クラッスス)
マリーヤ・アラシュ(エギナ)


タグ:ボリショイ
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