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『Three By Duato』(ナチョ・ドゥアト) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 ナチョ・ドゥアトは世界的名声を得ている若手(といっても40代後半)振付家で、ダンサーとしての経歴がこれまた凄い。モーリス・ベジャールのところで踊り、マッツ・エックのところで踊り、イリ・キリアンのところで踊ってたというんだから、もう20世紀後半のコンテンポラリーダンス界の大物は軒並みチェック済という感じ。

 それだけのキャリアを持つダンサーが振付をしたらどうなるか。今日はデュアト作品集をチェック。タイトルは「ドゥアトの作品3本」という意味です。その通り、『ARENAL』、『DUENDE』、『POR VOS MUERO』の3本が収録されています。

 で、結論としては、「ドゥアトすげー、気持ちイー、みんな観ようヨー!」という感じ。

 とにかく観ていて爽快、圧倒的に気持ちの良いダンスが展開されます。暗い、重いものを表現しているはずのシーンですら、力強さがみなぎっていて元気が出ます。何という、明るい、屈託の無いダンスでしょうか。

 実を言うと大抵のコンテンポラリーダンス映像には退屈なシーンがあるんですが、ドゥアトの作品には驚いたことにそれがありません。密度が異様に高く、常にハイテンション。

 川のように絶え間なく流れるダンスには、「えっ、最初からこんなにトバして大丈夫なんですか」「まだ途中なのに、こんなに盛り上がってイイんですか」「ラスト近いけど、何か特別な工夫をする必要はナイんですか」と、観ているこちらが意味不明なハラハラ感を覚えるほど、真っ直ぐで、太い。小手先のテクニックに頼ったり、鬼面人を驚かす類の仕掛けもない。たぶんダンスの力を何よりも信じているんだと思われます。真っ直ぐって、やっぱりいい。

 コンテンポラリーダンス映像というのは、合う人には宗教的なまでに合うんですが、興味ない人にとってはもう退屈でつまらないことこの上ありません。しかし、この映像なら、別にコンテンポラリーダンスに興味ない人でも、誰でも楽しめると思います。

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