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『シルヴィ・ギエム ~限界への挑戦~ (Sur Le fil)』(NHK BS プレミアムシアター) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 11月5日(土)23:30からの「NHK BS プレミアムシアター」では、グルジア国立バレエ日本公演『ロメオとジュリエット』およびクラシックドキュメンタリー『シルヴィ・ギエム ~限界の挑戦~』を放映してくれました。

 グルジア国立バレエの『ロメオとジュリエット』については、2010年6月4日のNHK教育『芸術劇場』で放映されたのと同じ映像(2010年3月12日、14日 ゆうぽうとホール(東京・五反田)にて収録された公演)なので省略します。詳しくは、2010年06月07日の日記を参照して下さい。

 『シルヴィ・ギエム ~限界への挑戦~ (Sur Le fil)』は、2009年2月26日にロンドンで世界初演された『女形』(ロベール・ルパージュ、ラッセル・マリファント、シルヴィ・ギエム)のメイキングを中心に、ギエムの姿を追った90分のドキュメンタリー作品。

 ロベール・ルパージュ、ラッセル・マリアントとのコラボレーションの様子が収録されています。三人でのアイデア出しの段階から、様々な試行錯誤、セリフや衣装デザインの選択、照明効果の確認などを経て、ついに本番をむかえるまでの「コンテンポラリーダンス作品の制作プロセス」を知ることが出来る貴重な映像です。

 特にナレーションやストーリーはなく、上記メイキング映像の間に、東京バレエ団との公演『白鳥の湖』と『ボレロ』、アクラム・カーンとの共演『聖なる怪物たち』、ラッセル・マリファントとの共演『PUSH』など様々な舞台映像、さらには東京やイタリアをはじめとしてあちこちを旅行するギエムの映像が散りばめられているという構成ですが、テンポよく進んでゆくため退屈することはありません。

 ギエムの声については日本語吹き替えになっていますが、必要に応じて(例えば舞台上のセリフなど)字幕付きの肉声にスムーズに切り替えており、日本語版の丁寧な作りには好感が持てます。

 というわけで、ギエムのファンは当然として、コンテンポラリーダンス作品の制作プロセスに興味がある方にもお勧めです。断片的ながら色々な公演のハイライトシーンを観ることが出来ますので、コンテンポラリーダンス入門としてもいいかも知れません。


『シルヴィ・ギエム ~限界への挑戦~ (Sur Le fil)』
11月5日(土)深夜放映

制作
  A Droite de la Lune
  ARTE France
  Sadler's Wells
  (フランス 2009年)

収録映像(公演の一部シーン)

  東京バレエ団『白鳥の湖』(2007年12月、東京文化会館にて収録)

  『聖なる怪物たち』(振付:アクラム・カーン)

  『PUSH』 (振付:ラッセル・マリファント)

  東京バレエ団『ボレロ』(振付:モーリス・ベジャール)

  『女形』(ロベール・ルパージュ、ラッセル・マリファント、シルヴィ・ギエム)
  2009年2月26日ロンドン世界初演


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『アリア』(ジル・ロマン振付)、『80分間世界一周』(モーリス・ベジャール振付)、『ダフニスとクロエ』(ジャン・クリストフ・マイヨー振付)、『シェエラザード』(ジャン・クリストフ・マイヨー振付) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 7月のNHK BS プレミアムシアターは、「ダンス特集」ということで、7月16日の23時30分から翌日3時30分まで、モーリス・ベジャール・バレエ団の公演を二本、モナコ公国モンテカルロ・バレエ団の公演を二本、計4本を放映。録画しておいてやっと鑑賞しました。

 まずは、ベジャールの衣鉢を継いだジル・ロマン振付の『アリア』。

 ミノタウルスの姿に託して人の奥底に潜む獣性を描いたと思しき作品で、そのクールな演出と妙な滑稽さがほどよく調和しており、感心させられます。変に演出に頼らず、がんがん踊らせるところも素敵。ジル・ロマンの作品を観るのははじめてですが、けっこう気に入りました。

 次は、ベジャールの遺作『80分間世界一周』で、これはベジャール作品に影響を与えた各国のダンスを次々と披露しながら、ベジャールの人生を回顧するという楽しい作品。この舞台、以前に市販映像を観たときに感想を書いてます。詳しくは2009年03月15日の日記を参照して下さい。

 そして、ジャン・クリストフ・マイヨー振付によるモンテカルロ・バレエ団の『ダフニスとクロエ』と『シェエラザード』。バレエ・リュス演目の再振付なんだそうですが、何というか、最初から最後まで、男女入り乱れてひたすらいちゃつくだけ、という油断すると脳捻転を引き起こしかねないお馬鹿な舞台。

 ラヴェルの名曲が流れるなか、ダフニスとクロエが互いを見つめ合う。古典バレエのような美しい光景ですが、しかしその背景のスクリーンに二人の脳裏で展開している妄想(裸体ですよもちろん)が映し出されてしまう。

 リムスキー・コルサコフの名曲が流れるなか、女主人と戯れる金の奴隷は、股間から手をつき出してぴょんぴょん跳びはねるし。

 以前に市販映像で『シンデレラ』を観たときも思ったのですが、マイヨーの作品は楽しく、セクシーで、お馬鹿。全体的にやりすぎ感が強く、官能的なシーンも即物的すぎて思わず笑いが出てしまう(狙ってるのがありあり)、下品になる半歩手前で何とか美しさを保っているという感じ。どこかうっすらと狂気が漂っているような気がするのも印象的。

 シャープなダンス、華麗で目にも鮮やかな群舞、誰にでも分かり易いシンプルで効果的な演出。全体のレベルが高いので、お馬鹿エロが目立って笑いを誘ってしまうという、好みがあえばハマるに違いない作風ではないでしょうか。

『アリア』

振付: ジル・ロマン
出演: フリオ・アロザレーナ、ジュリアン・ファブロー、エリザベット・ロス、カトリーヌ・ズアナバール、ダリア・イワノワ、ダフニ・モイアッシ、シャルル・フェルー
収録: 2009年5月、ローザンヌ・ボーリュ劇場

『80分間世界一周』

振付: モーリス・ベジャール
出演: ジル・ロマン、エティエンヌ・ベシャール、カトリーヌ・ズアナバール、ダリア・イワノワ、ダヴィッド・クピンスキー、ジュリアン・ファヴロー、レアーヌ・コドリントン、エリザベット・ロス、ジュリアーノ・カルドーネ、ダフニ・モイアッシ、ドメニコ・ルヴレ、カテリーナ・シャルキナ、オスカー・シャコン、アレッサンドロ・スキアッタレッラ、那須野圭右、オクタヴィオ・デ・ラ・ローサ、マーティン・ヴェデル、エミール・デルベ、フリオ・アロザレーナほか、ルードラ・ベジャール・バレエ学校の生徒たち
収録: 2008年2月、パレ・デ・スポール

『ダフニスとクロエ』

振付: ジャン・クリストフ・マイヨー
出演: アンハラ・バジェステロス、ジェローン・ヴェルブルジャン、ベルニス・コピエテルス、クリス・ローラント
収録: 2010年11月6日、モンテカルロ歌劇場

『シェエラザード』

振付: ジャン・クリストフ・マイヨー
出演: ベルニス・コピエテルス、ジェローム・マルシャン、レアルト・デュラク、オリヴィエ・ルセア、アレクシス・オリヴェイラ、ジェオルジェ・オリヴェイラ、ステファン・ボルゴン、ジェローン・ヴェルブルジャン、クリス・ローラント、アシエ・ウリアゼレカ、小池ミモザ、エロディ・プナ、キャロリン・ローズ
収録: 2010年11月10日、モンテカルロ歌劇場


タグ:ベジャール
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『ドガの小さな踊り子』(パトリス・バール振付)、『ランデヴー』(ローラン・プティ振付)、『オルフェウスとエウリディケ』(ピナ・バウシュ振付) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 七月のNHK BS プレミアムシアターは、「ダンス特集」ということで、7月9日の23時30分から翌日3時45分まで、パリ・オペラ座公演を三本放映。録画しておいてやっと鑑賞しました。

 まずは、パトリス・バール振付『ドガの小さな踊り子』。ドガの時代の華やかだが頽廃したパリ・オペラ座を背景に、夢破れた踊り子の悲劇を描く作品。何しろ出演者リストが凄いことになっています。

 主役を踊るのは、クリールマリ・オスタ。そのダンスにも、ちょっとロリ入った健気な少女に(本当に)見えるあたりも、感心させられます。いかにもナルナル~なバレエ教師を踊るのはマチュー・ガニオ、楽しそうです。その生徒たちは、もちろん本物のパリ・オペラ座学校の生徒たちが踊っています。「エトワール」という素晴らしい役を踊るのはドロテ・ジルベール。少女の憧れの対象なんですが、その気取った浮きまくった感じが素敵です。

 オペラ座の常連客(まあ要するに売春宿通いの小金持ち)を踊るジョゼ・マルティネスの小物感も楽しく、怒りの表現がものすごい母親役はエリザベート・モーラン。画家はバンジャマン・ペッシュ。何とまあ、誰も彼もキャラが立ってます。

 作品としては手堅くまとめた感があり、最初から最後まで、名ダンサーたちのダンスをあまり構えずに楽しめました。夢やぶれた少女と画家の最後のパ・ド・ドゥは感動的で、ノイマイヤー振付の『人魚姫』のラストなど連想しました。

 二本目はローラン・プティ振付の『ランデヴー』。テーマは「避けられない死」。終演後のカーテンコールで、よくみると、ダンサーたちの背後に、真っ黒な背景に溶け込むように静かにたたずんでいるプティの姿が映っています。後で知ったことですが、まさにこのとき、プティは亡くなったとのこと。確認しようと思って録画を再生してみたところ、プティの姿はどこにもありませんでした。

 というのは嘘ですが、放映された7月10日にプティが息を引き取ったというのは本当です。実は、鑑賞する直前にそのニュースを知ったもので、追悼気分で観ることになりました。カーテンコールで舞台に登場したプティの姿に、ちょっとじーんと来たり。

 代表作の一つ『若者と死』の原型みたいな作品で、ニコラ・ル・リッシュ踊るところの若者が、イザベル・シアラヴォラが踊る運命の女(ファム・ファタール)に見入られて死ぬという話。ル・リッシュはこういう追い詰められる役が似合いますねえ。ただ、後に作られた『若者と死』に比べると、密度と緊迫感が不足している感は否めないかも知れません。

 最後は、ピナ・バウシュ振付『オルフェウスとエウリディケ』。グルックのオペラの現代改作で、ヤン・ブリダールとマリ・アニエス・ジロが踊ります。総合的な演出で神話的世界を構築する前半、一転ダンスの力だけで濃密な心理劇を表現してのける後半、いずれも感服する他はなく。この舞台、以前に市販映像を観たときに感想を書いてます。詳しくは2010年05月18日の日記を参照して下さい。

 というわけで、ピナ・バウシュに続いてローラン・プティも亡くなってしまい、さらに次回7月16日夜のプレミアムシアターは、モーリス・ベジャール特集だそうで、何だか「最近亡くなった世界的コレオグラファ追悼」の映像が続いているような気がします。次々回の特集はノイマイヤーだそうで、どうか何事もありませんように(不謹慎)。


『ドガの小さな踊り子』

振付: パトリス・バール
出演: クリールマリ・オスタ、パリ・オペラ座バレエ団、パリ・オペラ座バレエ学校
収録: 2010年、パリ・オペラ座ガルニエ宮

『ランデヴー』

振付: ローラン・プティ
出演: ニコラ・ル・リッシュ、イザベル・シアラヴォラ、パリ・オペラ座バレエ団、パリ・オペラ座バレエ学校
収録: 2010年10月7日、パリ・オペラ座ガルニエ宮

『オルフェウスとエウリディケ』

振付: ピナ・バウシュ
出演: ヤン・ブリダール、マリ・アニエス・ジロ、パリ・オペラ座バレエ団
収録: 2008年、パリ・オペラ座ガルニエ宮


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『シッダールタ』(プレルジョカージュ)、『リフラクション』(アロンゾ・キング)、『グノーシス』(アクラム・カーン、ガウリ・シャルマ・トリパティ)、『ロアラトリオ』(マース・カニングハム) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 七月のNHK BS プレミアムシアターは、「ダンス特集」ということで、毎週コンテンポラリーダンス公演映像をがんがん放映してくれます。めでたい。

 まずは7月2日の23時30分から翌日2時55分まで、アンジュラン・プレルジョカージュ振付『シッダールタ』と、モンペリエ・ダンス・フェスティバル2010から三作品を放映してくれました。録画しておいて数日がかりでようやく観たのですが、これがもうボリュームたっぷり。

 まずは、アンジュラン・プレルジョカージュがパリ・オペラ座のために振り付けた『シッダールタ』。

 仏教の開祖たるゴータマ・シッダールタ王子の生涯をテーマにした作品で、王子をニコラ・ル・リッシュ、悟りの精をオーレリ・デュポンが踊ります。2010年4月、パリ・オペラ座バスチーユで収録された映像です。

 「釈迦が修行して悟りをひらく」というストーリーをいったいどうやってダンスで表現するのか。そもそも身体表現で「悟り」を表現できるものなのか。興味津々で観始めました。

 ル・リッシュが踊る野性的な王子。これが、ぎんぎんの衣装で舞台に登場するたびにエレキギターぎゅんぎゅん鳴り響き、この方、どちらのジーザスクライストスーパースターですか。

 そこにデュポンが踊るサトリちゃん(仮名)が、手下の美女たちを引き連れて現れてですね、露出たっぷりの衣装をひらひらさせたり。王子がえいやっと捕まえようとするものの、するりするりと逃げ回って。ついに追い詰めたと思ったら、ワイヤーワークで宙を舞って、ほほほほ、私に触れたければもっと修行を積むことね、と言い残して飛んで行ってしまうわけです。悔しがる王子、よーし、さらなる修行だ!

 仏教の悟りって、そういうものだったのか。

 まあフランスの変態が振り付けたコンテンポラリーダンス作品にそういう野暮なツッコミしてもしかたないわけですが、肝心のダンスがこう、どうにも退屈なんです。あ、これはいいな、と思うシーンがないわけではないのですが、すぐに飽きてしまう。かろうじて、ル・リッシュとデュポンの最後のパ・ド・ドゥには感動しましたけど。

 個人的な相性の問題なんでしょうが、プレルジョカージュの作品はどうもその面白さが分かりません。以前に観た『ル・パルク』も退屈だったし、来日公演で観た『Les 4 saisons...(四季)』にもがっかりしました。

 素晴らしいのはむしろ現代美術家クロード・レヴェックによる大道具の数々。巨大な振り子がぶら下がって揺れる、巨大な貨物列車みたいなのがぶら下がって揺れる、巨大な家がぶら下がって揺れる。何だか巨大なものをぶら下げて揺らすのがよほどお好きなんでしょうが、その造形や照明の当て具合は絶妙で、おおお、感心しました。

 次は、「モンペリエ・ダンス・フェスティバル2010」の公演映像。最初がアロンゾ・キング振付『リフラクション』。

 これはもう最高でした。コンテンポラリーダンスのかっこ良さを凝縮したようなシビれ具合。

 大道具は何もなし、照明だけで構成された無機的でシンプルな舞台空間を、ダンサーたちの鍛え上げられた精悍な肉体が躍動し、目を見張る新鮮な動きが次から次へと炸裂。ソロ良し、デュオ良し、群舞良し。長い手足が目まぐるしく動き、交差し、旋回し、跳躍する。観ているだけで、腹の底から、こう、うおおおおっ、何か込み上げてきます。

 一瞬たりとも気を抜けない高密度の作品で、最初から最後まで掘削機が岩盤をぶち抜くような勢いで突っ走ります。初めてエドゥアール・ロック振付作品を観て度肝を抜かれたときのような興奮を覚えました。お恥ずかしいことにアロンゾ・キングという振付家は全く知らなかったのですが、とりあえず作品映像が市販されてないか確認してみることにします。

 次はアクラム・カーン振付『グノーシス』。和太鼓集団「鼓童」の砂畑好江さんとアクラム・カーンが共演します。

 砂畑好江さんが白い杖を振り回し(おそらく盲目の女サムライといったところ)、アクラム・カーンはインド古典舞踊の型で旋回。二人の殺陣がクールで、この緊張感がたまらない。コンテンポラリーダンス作品としての出来はよく分かりませんが、ぴりぴりと闇を切り裂く二人の鋭い動きには感動させられます。

 なお、先日観た『ミュージック・フォー・ジャパン PLAY&PRAY』(2011年05月02日の日記参照)におけるアクラム・カーンの演目『Nameless』と同じ動き(例えば両手の指を組んで波のように激しく動かす)がいくつかあったように感じられました。

 そして最後は、マース・カニングハム振付『ロアラトリオ』。マーサ・グレアムの弟子にしてコンテンポラリーダンスの新たな地平を切り拓いた振付家、そういえば前述のプレルジョカージュの師匠の一人だったりもする、カニングハムの歴史的作品の再演です。

 不協和音に癇に触る人の声(例えば赤子の泣き声)をかぶせた音楽が鳴り響くなか、音楽とは全く関係なく、個々のダンサーたちがてんでばらばらに動きます。まるで各人が勝手に練習しているかのように統一感がなく、ときどき動きが組み合わさったりユニゾンしたりするのも偶発的に感じられます。始まるともなく始まって、終わるともなく終わるダンス。

 正直言って途中で観るのが嫌になるほど退屈でつまらないわけです。そんなことを口にすると、えらい舞踏評論家の方々がわらわら駆けつけてきて、カニングハムが何をやろうとしたのか、「意味をはぎ取られたダンス」について、その歴史的意義と後世に与えた影響、などについて暑苦しく語ってきそうな気がしますが。

 カニングハムについては、『ダンス・バイブル』(乗越たかお)に詳しい解説が載っていますので、そちらをご覧ください(2010年12月14日の日記参照)。個人的には、コンテンポラリーダンの歴史には心から敬意を払いたいのですが、でもカニングハム作品はもう観なくていいや、と思う。

 というわけで、歴史的作品から最新作まで、欧米から東洋まで、バラエティに富んだコンテンポラリーダンス特番でした。このボリュームを毎週放映するのかと思うと嬉しいやら疲れるやら。次の放送(7月9日 午後11時30分~午前3時45分)はピナ・バウシュだそうで、期待しましょう。

『シッダールタ』

振付: アンジュラン・プレルジョカージュ
出演: ニコラ・ル・リッシュ、オーレリ・デュポン、パリ・オペラ座バレエ団
収録: 2010年4月、パリ・オペラ座バスチーユ

『リフラクション』

振付: アロンゾ・キング 
音楽: ジェイソン・モラン 
出演: アロンゾ・キング・ラインズ・バレエ団
収録: 2010年6月、7月(モンペリエ・ダンス・フェスティバル2010)

『グノーシス』

振付: アクラム・カーン、ガウリ・シャルマ・トリパティ
出演: アクラム・カーン、砂畑好江(鼓童)
収録: 2010年6月、7月(モンペリエ・ダンス・フェスティバル2010)

『ロアラトリオ』

振付: マース・カニングハム
音楽: ジョン・ケージ
出演: マース・カニングハム舞踊団


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『Three Ballets By Wayne Mcgregor』(ウェイン・マクレガー振付、英国ロイヤルバレエ) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 英国の人気コレオグラファ、ウェイン・マクレガーが振り付けた三作品、『CHROMA』、『INFRA』、『LIMEN』の舞台映像です。発売は2011年2月。

 まずキャストがものすごい。詳しくは最後のリストをご覧になって頂きたいのですが、とにかく今の英国ロイヤルバレエ団を代表するダンサー、それも若手がぎっしり。驚きです。このメンバーがばりばりコンテンポラリー作品を踊る姿も新鮮で、クラシックバレエ風以外は駄目という方でなければ、お気に入りダンサー目当てで購入しても後悔はしないでしょう。

 個人的には、崔由姫(チェ・ユフィ)さんとスティーヴン・マックレー君の共演が観られて感涙。と言いたいところですが、崔由姫さんの出番が思ったより少なくてちょっと不満。スティーヴン・マックレーは出番も多く、やたら格好良くて気分爽快。いいよなあ、マックレー。

 それから、2008年のローザンヌ国際バレエコンクールで入選した高田茜さんが出演しています。将来を期待されている感じがひしひしと伝わってきます。気になる方は要チェック。

 全体的に男性ダンサーへの振付はむっちゃかっこ良くて、どこかユーモラスで、なんだかさわやかでした。ソロもいいんですが、男性ダンサー三名による掛け合いダンスも好み。

 それに比べると、女性ダンサーおよび男女ペアの振り付けは、地味というか、似たような動きの繰り返しが多いというか、柔軟体操めいているというか、むしろ荷造りみたいというか、どうも気に入りません。

 背景はシンプルで無機質な空間になっていますが、照明や色彩に工夫がこらしてあり、思わずはっとするような鮮やかな印象を残します。『LIMEN』でデジタル数字(時計や電卓の表示に使われるやつ)が様々なやり方で投影される演出が特にお気に入り。何だかダンサーの動きまで時計に見えてきたり。

 英国ロイヤルバレエ団の来日公演というと、どうしてもクラシック風演目が中心になってしまうので、こういう市販映像でコンテンポラリーを踊るダンサーたちの姿を観て、その新たな魅力を発見できるのは、とてもありがたいことです。

[キャスト]

『CHROMA』
(2010年6月10日~11日、ロイヤルオペラハウス・コヴェントガーデンで収録)

  フェデリコ・ボネッリ (Federico Bonelli)
  リカルド・セルヴェラ (Ricardo Cervera)
  マーラ・ガレアッツィ (Mara Galeazzi)
  サラ・ラム (Sarah Lamb)
  スティーヴン・マックレー (Steven McRae)
  ラウラ・モレーラ (Laura Morera)
  リュドヴィック・オンディヴィエラ (Ludovic Ondiviela)
  タマラ・ロホ (Tamara Rojo)
  エリック・アンダーウッド (Eric Underwood)
  ジョナサン・ワトキンス (Jonathan Watkins)
  エドワード・ワトソン (Edward Watson)

『INFRA』
(2008年11月13日~14日、ロイヤルオペラハウス・コヴェントガーデンで収録)

  リャーン・ベンジャミン (Leanne Benjamin)
  リカルド・セルヴェラ (Ricardo Cervera)
  崔由姫(チェ・ユフィ) (Yuhui Choe)
  ローレン・カスバートソン (Lauren Cuthbertson)
  マーラ・ガレアッツィ (Mara Galeazzi)
  メリッサ・ハミルトン (Melissa Hamilton)
  平野龍一 (Ryoichi Hirano)
  ポール・ケイ (Paul Kay)
  マリアネラ・ヌニェス (Marianela Nuñez)
  エリック・アンダーウッド (Eric Underwood)
  ジョナサン・ワトキンス (Jonathan Watkins)
  エドワード・ワトソン (Edward Watson)

『LIMEN』
(2009年11月13日、17日、ロイヤルオペラハウス・コヴェントガーデンで収録)

  リャーン・ベンジャミン (Leanne Benjamin)
  崔由姫(チェ・ユフィ) (Yuhui Choe)
  トリスタン・ダイヤー (Tristan Dyer)
  マーラ・ガレアッツィ (Mara Galeazzi)
  メリッサ・ハミルトン (Melissa Hamilton)
  ポール・ケイ (Paul Kay)
  サラ・ラム (Sarah Lamb)
  ブライアン・マロニー (Brian Maloney)
  スティーヴン・マックレー (Steven McRae)
  マリアネラ・ヌニェス (Marianela Nuñez)
  リュドヴィック・オンディヴィエラ (Ludovic Ondiviela)
  レティシア・ストック (Leticia Stock)
  高田茜 (Akane Takada)
  エリック・アンダーウッド (Eric Underwood)
  エドワード・ワトソン (Edward Watson)


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