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『ロスト イン ダンス』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2019年8月10日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんの公演を鑑賞しました。上演時間1時間ほどの作品です。

 勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんが交替で踊ります。始まりも終わりもなく永遠に続いているダンス、という印象を受ける作品です。

 最初は勅使川原さんが踊っている時間が長いのですが、段々と出番が減ってゆき、後半はずっと佐東さんが踊っていたような気がします。最後に勅使川原さんが登場してわずかな時間一緒に踊りますが、やがて消えてしまう。舞台上に残された佐東さんは、ずっと、永遠に、ひとりで踊り続けることになるわけです。厳しいなあ、容赦ないなあ。

 細かく残像をのこしながら宙を滑る腕の軌跡。幻想的なダンスから、荒い呼吸音とともに力強く動く存在感と迫力のダンスへと、佐東利穂子さんの動きがまるでこれまでの回想シーンのように変化してゆくのが素晴らしく、いやこれむしろ走馬灯というやつではないか。というか、現世で生身で踊っているとはとても思えない、あちらで踊っているのが見えているのでは、お盆だけに、といった気持ちになってゆきます。

 終演後の挨拶で勅使川原さんは、佐東利穂子に捧げる作品、というようなことをおっしゃってました。厳しいなあ、容赦ないなあ。



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