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『えのないえほん』(斉藤倫、植田真:絵) [読書(小説・詩)]

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あるところに みにくい けものが いました

どんなに みにくいか
その すがたは
たとえ せたいいちの えかきを つれてきても
えがけなかったことでしょう
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 誰からもひどく醜いと言われ、嫌われ、心が荒んでゆく獣に、盲目の少女は言うのだった。「わたしの みたことのない いろんな いいものに にている あなた」と。創作絵本(講談社)出版は2018年6月です。


 『絵のない絵本』はアンデルセン、『えがないえほん』はB.J.ノヴァク、そして『えのないえほん』は斉藤倫。ここ大切なので間違えないように。子供には三冊とも読ませてあげるとよいと思います。


 タイトルこそ『えのないえほん』ですが、背景や心象風景など抽象的イメージを描いた絵が何枚もあります。装丁にも様々な工夫が込められており、美しい絵本です。見た目が悪い人は、軽んじても、笑いものにしてもよい。ルッキズムと呼ばれるそんな風潮のなかで、自分の外見は魅力的でないと悩んでいる子供たちにぜひ。



タグ:斉藤倫 絵本
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