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『新作2018 トリプルビル』(カンパニー・オブ・エルダーズ、サドラーズ・ウェルズ劇場) [ダンス]

 2018年9月23日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、高齢者舞台芸術の祭典「世界ゴールド祭2018」の一環で招かれた英国の高齢者ダンスカンパニー「カンパニー・オブ・エルダーズ」の新作公演を鑑賞しました。


 サドラーズ・ウェルズ劇場プロデュースによる、60歳以上の高齢者が所属するダンスカンパニー「カンパニー・オブ・エルダーズ」。そのメンバーのうち11名が出演する3つのダンス作品が上演されました。舞台の合間には、関係者へのインタビューなどのショートフィルムが上映され、それらを含む公演全体の上演時間は1時間弱でした。


Fragments, Not Forgotten
『断片-忘れることのない記憶』(振付:シータ・パテール)
出演者11名、上演時間10分。


A Tentative Place Of Holding
『テンタティブ・プレイス・オブ・ホールディング-永遠の生に向かって』(振付:エイドリアン・ハート)
出演者11名、上演時間12分。


Abyss
『深い淵』(振付:ディクソン・ンビ)
出演者11名、上演時間11分。


 体力の問題が大きいのでしょうが、いずれも10分程度の短い作品です。ダンステクニックで観客を圧倒するようなものではありませんが、足を踏み出す、手を挙げる、他人の肩に手をかける、振り向く、うつむいて無言で佇むなど、一つ一つの動作から各人が重ねてきた歳月と人生の重みが切実に感じられて、静かな感動がわきあがってくるパフォーマンスです。

 同時に、「高齢者に何をどう表現させるか」という課題に挑戦した英国の若き振付家たちの回答を、高齢者である自分が(上から目線で)評価する(ほほう、高齢者の心境を若者はこういう感じに想像したのか、ふーむふむ)という体験を楽しんだり。

 個人的に最も気に入ったのは、ディクソン・ンビ振付の『深い淵』で、出演者全員が光のなかに集まってゆくラストは鳥肌ものでした。



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