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『つまり猫が好きなんです vol.1』(杉中昌樹:編集) [その他]

 北海道の小樽で個人誌(詩誌「詩の練習」など)を刊行している杉中昌樹さんによる、猫愛をテーマにした詩誌の創刊号です。配偶者も寄稿しているということで、宣伝を兼ねてご紹介いたします。


[つまり猫が好きなんです 第1号 目次]
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カバー写真        北爪満喜
a final home       北爪満喜
キャッツ         杉中昌樹
猫の道          島野律子
知ってる/知らない    辻和人
猫が呼ぶ         唐作佳子
わが子に――愛猫の死より なかむらたけひこ
いつかジャガー      佐々木紺
ではなくて        陶原 葵
地下           宿久理花子
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発行日 2018年5月5日
編集発行人 杉中昌樹
発行所 詩の練習


[サンプル]

――
シロとクロを預けてくれて
ここんちしかないと信頼してもらえて
私んちは嬉しかった。
最後の最後 来てくれて
泊らせてあげることができて
私は嬉しかった。私んちは私んちになれた。
――
『a final home』(北爪満喜)より


――
ひょっとして、このおねーさんは、人間の姿をしているが、実は、その実体は、猫なんじゃないか。猫が人間に化けて。化け猫。僕のとなりに蹲っていた猫が、ごろごろごろと喉を鳴らす。僕は猫を見つめる。猫は目を瞑っている。月の明かりが、猫の閉じた細い目を照らす。このおねーさんが、本当は猫なのに、人間に成ることができたのだとすれば、僕も、いつか、猫に成ることができるんじゃないか。
――
『キャッツ』(杉中昌樹)より


――
水の中の破れたフェンスから猫がしゅりりと歩くように泳ぎ出る
ぬれたらいやなんだよ
それを決めるのは猫なのにどうしてか止めようとして
(わたし、知ってるのよ)
険しい目つきで気分よく尻尾を上げ 前だけを見ている
水の中の猫たちのオレンジの灯り
後姿ばかりになって水溜りの中をまるで網目の数だけ
生まれたみたいに
――
『猫の道』(島野律子)


――
鷹化して鳩となりけり元ジャガー

麗らかや背筋すみずみまでつかふ

黒猫のとろりと凹み桜東風
――
『いつかジャガー』(佐々木紺)



タグ:同人誌
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