『笑う数学』(日本お笑い数学協会) [読書(サイエンス)]
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じつは、学校で学ぶ数学はごくわずかな範囲で、ほかにもまだまだユニークな切り口で数学に触れる方法があるのです。この本はそのユニークな切り口のひとつ、「笑い」という要素をふんだんに盛り込んだ「数学」の本です。
なんと、100個の数学ネタがこの本にまとめられています。おそらくこの本のなかには、はじめてみた内容がたくさん含まれていると思います。
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ちょっと面白い数学ネタから、役立つ計算法や解法、さらには数学用語による駄洒落まで、数学の「笑える」話題を100個集めた一冊。単行本(KADOKAWA)出版は2018年1月、Kindle版配信は2018年1月です。
ざっと並んでいる項目は、だいたいこんな感じです。
・意外に知られていない定理、図形や数の特殊な性質
・結果や見た目が美しく気持ちよい計算式
・ちょっと面白い問題、意外な答えになる問題
・鶴亀算、三角関数、頻出図形問題などを、一瞬で解く裏技
・覚えておくと意外に役立つかも知れない数学のあれこれ語呂合わせ暗記法
・西暦0年がない理由、イスラエルでは足し算の記号が+でない理由など、数学に関連した歴史や社会の豆知識
ジョークみたいな項目も多数。
・数式やグラフで"I LOVE YOU"などの文字や絵を描く
・数式を無理やり「ことわざ」として読み解く
・四字熟語を無理やり数式として解く
・単なる駄洒落を数学的に証明する
というわけで、いくつかピックアップして紹介してみます。
まずは、真面目な問題に見せかけて、実は「とんち」で解決するというネタ。
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xが8に近づくとき、答えは∞になりました。8を倒すと、∞になります。つまり、xが3に近づくとき、答えは3を横に倒したωになります。
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「18 数学小咄と数学とんち」より
予想外の答えにあっと驚く確率問題。
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あなたはアイドルを夢見る女子高生です。街で、自称天才アイドルプロデューサーにスカウトされ、「俺、これまで色々な女の子を見てきて、その子がアイドルとして成功するか失敗するかを99%の確率で当てることができるんだよね! その俺が言うんだから間違いない。君はアイドルとして成功する!」と言われました。
このプロデューサーの予想が本当に99%の確率で当たるとして、実際にあなたがアイドルとして成功する確率は何%か求めよ。ただし、一般的にアイドルとして成功するのは1万人に1人とする。
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「19 アイドルが売れる確率」より
数学でも何でもないものを、無理やり数学とみなして「解決」してしまう。
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アントニオ猪木さんは「1」と「2」と「3」と「ダー」の4つを使って「1・2・3・ダー」と叫びます。「ダー=0」と考えれば、猪木さんが4進法を使っていることに気付きます。
では、108を猪木流4進法で表すと、どうなると思いますか?
(数式省略)
な、な、なんと、「1・2・3・ダー」となるのです!
つまり、猪木さんは「1・2・3・ダー」と叫ぶことで、我々の煩悩を吹き飛ばしてくれていたのです!
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「23 煩悩を吹き飛ばす方法」より
面白い性質を持った数や意外性のある定理。
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373393は素数です。37339も素数です。3733も素数です。373も素数です。37も素数です。3も素数です。さて、いま並べた数値を見て、何かに気付きませんか。これらは、373393を一の位から消していった数値を並べています。一の位から消していって、ずっと素数が残るとき、元の数値を「素な素数(そなそすう)」といいます。
素な素数のグループの中で最大のものは、「生成数」と呼ばれ(例えば、冒頭の373393)、有限個であることがわかっています。
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「25 素な素数」より
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作図に必要な道具といえば「定規」と「コンパス」。
彼らは最強のコンビ! その絆は固い!
そんな二人の関係を脅かす定理が存在する。
その名も「モール・マスケローニの定理」。
その内容は聞いて驚くなかれ! 「定規とコンパスで可能な作図は、全てコンパスのみでも作図可能である」。(中略)
この定理を知った時の、定規のショックを想像して欲しい。
「俺は……必要ない存在だったのか……」
――――
「53 作図に定規は必要なかった!?」より
子どもに数学を教えるときに使える便利なネタ。
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「負×負がなぜ世になるのか?」を説明するのは意外と難しい。僕はいつも「正=本当、負=ウソ」と変換して説明をする。
正×正=「本当」っていうのは本当=本当
正×負=「本当」っていうのはウソ=ウソ
負×正=「ウソ」っていうのは本当=ウソ
負×負=「ウソ」っていうのはウソ=本当
厳密な説明にはなってないが、直感的に納得してもらえることは多い。
――――
「61 正負の掛け算」より
しかし何といっても圧巻なのは、何としてでも「数学でモテる」という情熱に突き動かされたネタの数々でしょう。
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合コンなどで初めて会った人の年齢を聞いたときに、その年齢の数にまつわる性質が言えたら間違いなく相手に印象を残すことができるはずです。そこで、20歳から39歳までの数の性質をご紹介します。
20は1桁の偶数の和(2+4+6+8)
21はサイコロの目の和の合計
22は九九で登場しない最小の合成数
23は3つの連続した素数の和(5+7+11)で表せる最小の素数
24は1から4までの数の積
25は5の2乗
26は2乗すると回分数になる数
27は立方数
28は完全数
29は素数
30は1から10までの偶数の和
31は自身もひっくり返した13も素数
32は2の5乗
33は1から4の階乗の和
34はフィボナッチ数のひとつ
35は1から5までの奇数の平方和
36は平方数
37は31と同様で、自身もひっくり返しても素数
38は1から5までの素数の平方和
39は3の1乗と3の2乗と3の3乗の和
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「26 年列別年齢の褒め方」より
上のネタで相手に好印象を与えたら、さらに「声に出したい数学用語」の話題をさり気なく持ち出せば、もうこれは数学でモテること間違いなしですね。頑張りましょう。
「コラム 声に出したい数学用語」より
「病的な関数」
「ドラゴン曲線」
「悪魔の階段」
「スリッパの法則」
「アーネシの魔女」
「大二重変形二重斜方十二面体」
じつは、学校で学ぶ数学はごくわずかな範囲で、ほかにもまだまだユニークな切り口で数学に触れる方法があるのです。この本はそのユニークな切り口のひとつ、「笑い」という要素をふんだんに盛り込んだ「数学」の本です。
なんと、100個の数学ネタがこの本にまとめられています。おそらくこの本のなかには、はじめてみた内容がたくさん含まれていると思います。
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ちょっと面白い数学ネタから、役立つ計算法や解法、さらには数学用語による駄洒落まで、数学の「笑える」話題を100個集めた一冊。単行本(KADOKAWA)出版は2018年1月、Kindle版配信は2018年1月です。
ざっと並んでいる項目は、だいたいこんな感じです。
・意外に知られていない定理、図形や数の特殊な性質
・結果や見た目が美しく気持ちよい計算式
・ちょっと面白い問題、意外な答えになる問題
・鶴亀算、三角関数、頻出図形問題などを、一瞬で解く裏技
・覚えておくと意外に役立つかも知れない数学のあれこれ語呂合わせ暗記法
・西暦0年がない理由、イスラエルでは足し算の記号が+でない理由など、数学に関連した歴史や社会の豆知識
ジョークみたいな項目も多数。
・数式やグラフで"I LOVE YOU"などの文字や絵を描く
・数式を無理やり「ことわざ」として読み解く
・四字熟語を無理やり数式として解く
・単なる駄洒落を数学的に証明する
というわけで、いくつかピックアップして紹介してみます。
まずは、真面目な問題に見せかけて、実は「とんち」で解決するというネタ。
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xが8に近づくとき、答えは∞になりました。8を倒すと、∞になります。つまり、xが3に近づくとき、答えは3を横に倒したωになります。
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「18 数学小咄と数学とんち」より
予想外の答えにあっと驚く確率問題。
――――
あなたはアイドルを夢見る女子高生です。街で、自称天才アイドルプロデューサーにスカウトされ、「俺、これまで色々な女の子を見てきて、その子がアイドルとして成功するか失敗するかを99%の確率で当てることができるんだよね! その俺が言うんだから間違いない。君はアイドルとして成功する!」と言われました。
このプロデューサーの予想が本当に99%の確率で当たるとして、実際にあなたがアイドルとして成功する確率は何%か求めよ。ただし、一般的にアイドルとして成功するのは1万人に1人とする。
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「19 アイドルが売れる確率」より
数学でも何でもないものを、無理やり数学とみなして「解決」してしまう。
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アントニオ猪木さんは「1」と「2」と「3」と「ダー」の4つを使って「1・2・3・ダー」と叫びます。「ダー=0」と考えれば、猪木さんが4進法を使っていることに気付きます。
では、108を猪木流4進法で表すと、どうなると思いますか?
(数式省略)
な、な、なんと、「1・2・3・ダー」となるのです!
つまり、猪木さんは「1・2・3・ダー」と叫ぶことで、我々の煩悩を吹き飛ばしてくれていたのです!
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「23 煩悩を吹き飛ばす方法」より
面白い性質を持った数や意外性のある定理。
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373393は素数です。37339も素数です。3733も素数です。373も素数です。37も素数です。3も素数です。さて、いま並べた数値を見て、何かに気付きませんか。これらは、373393を一の位から消していった数値を並べています。一の位から消していって、ずっと素数が残るとき、元の数値を「素な素数(そなそすう)」といいます。
素な素数のグループの中で最大のものは、「生成数」と呼ばれ(例えば、冒頭の373393)、有限個であることがわかっています。
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「25 素な素数」より
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作図に必要な道具といえば「定規」と「コンパス」。
彼らは最強のコンビ! その絆は固い!
そんな二人の関係を脅かす定理が存在する。
その名も「モール・マスケローニの定理」。
その内容は聞いて驚くなかれ! 「定規とコンパスで可能な作図は、全てコンパスのみでも作図可能である」。(中略)
この定理を知った時の、定規のショックを想像して欲しい。
「俺は……必要ない存在だったのか……」
――――
「53 作図に定規は必要なかった!?」より
子どもに数学を教えるときに使える便利なネタ。
――――
「負×負がなぜ世になるのか?」を説明するのは意外と難しい。僕はいつも「正=本当、負=ウソ」と変換して説明をする。
正×正=「本当」っていうのは本当=本当
正×負=「本当」っていうのはウソ=ウソ
負×正=「ウソ」っていうのは本当=ウソ
負×負=「ウソ」っていうのはウソ=本当
厳密な説明にはなってないが、直感的に納得してもらえることは多い。
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「61 正負の掛け算」より
しかし何といっても圧巻なのは、何としてでも「数学でモテる」という情熱に突き動かされたネタの数々でしょう。
――――
合コンなどで初めて会った人の年齢を聞いたときに、その年齢の数にまつわる性質が言えたら間違いなく相手に印象を残すことができるはずです。そこで、20歳から39歳までの数の性質をご紹介します。
20は1桁の偶数の和(2+4+6+8)
21はサイコロの目の和の合計
22は九九で登場しない最小の合成数
23は3つの連続した素数の和(5+7+11)で表せる最小の素数
24は1から4までの数の積
25は5の2乗
26は2乗すると回分数になる数
27は立方数
28は完全数
29は素数
30は1から10までの偶数の和
31は自身もひっくり返した13も素数
32は2の5乗
33は1から4の階乗の和
34はフィボナッチ数のひとつ
35は1から5までの奇数の平方和
36は平方数
37は31と同様で、自身もひっくり返しても素数
38は1から5までの素数の平方和
39は3の1乗と3の2乗と3の3乗の和
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「26 年列別年齢の褒め方」より
上のネタで相手に好印象を与えたら、さらに「声に出したい数学用語」の話題をさり気なく持ち出せば、もうこれは数学でモテること間違いなしですね。頑張りましょう。
「コラム 声に出したい数学用語」より
「病的な関数」
「ドラゴン曲線」
「悪魔の階段」
「スリッパの法則」
「アーネシの魔女」
「大二重変形二重斜方十二面体」
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