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2017年を振り返る(8)[サイエンス・テクノロジー] [年頭回顧]

 まず天文学関連では、宇宙終焉までのプロセスを詳しく解説した『宇宙に「終わり」はあるのか』(吉田伸夫)と、巨大ブラックホールの“直接撮像”に挑むプロジェクトを扱った『巨大ブラックホールの謎』(本間希樹)の二冊が印象に残っています。極端に長い時間、極端に強い重力、いずれも想像力を刺激されます。


2017年05月02日の日記
『宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで』(吉田伸夫)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-05-02

2017年05月18日の日記
『巨大ブラックホールの謎 宇宙最大の「時空の穴」に迫る』(本間希樹)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-05-18


 物理学では、量子論にもとづく世界観を深堀りして解説してくれる、『時間とはなんだろう』(松浦壮)と『佐藤文隆先生の量子論』(佐藤文隆)の二冊に感銘を受けました。


2017年11月01日の日記
『時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体』(松浦壮)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-11-01

2017年10月18日の日記
『佐藤文隆先生の量子論 干渉実験・量子もつれ・解釈問題』(佐藤文隆)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-10-18


 地学、気象学まわりでは、中川毅さんの二冊が衝撃的でした。7万年分の年縞が連続的に保存されている「奇跡の湖」こと水月湖に挑んだ記録『時を刻む湖』と、気候変動の歴史を見つめる『人類と気候の10万年史』です。お勧めです。


2017年01月11日の日記
『時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち』(中川毅)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-01-11

2017年04月17日の日記
『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』(中川毅)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-04-17


 その他、スーパーカミオカンデによるニュートリノ振動の検出について解説した『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』(梶田隆章)、ムーやアトランティスなど「沈んだ大陸」伝説の検証から始まって実在する第七大陸「ジーランディア」の解説へと進む『海に沈んだ大陸の謎』(佐野貴司)の二冊にはわくわくさせられました。


2017年03月02日の日記
『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』(梶田隆章)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02

2017年09月05日の日記
『海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史』(佐野貴司)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-09-05


 生物学まわりでは、バイオロギングなどの技術を駆使することで判明した野生動物の意外な行動を紹介する『サボり上手な動物たち』(佐藤克文、森阪匡通)、マグロを産むサバの量産に挑む研究を紹介する『サバからマグロが産まれる!?』(吉崎悟朗)の二冊が面白かった。


2017年08月23日の日記
『サボり上手な動物たち』(佐藤克文、森阪匡通)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-08-23

2017年03月01日の日記
『サバからマグロが産まれる!?』(吉崎悟朗)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-03-01


 他にも、寄生生物の驚くべき生態をまとめた『したたかな寄生』(成田聡子)、生物進化史のなかでウイルスが果たしてきた役割を見つめる『ウイルスは生きている』(中屋敷均)の二冊には驚かされました。


2017年12月06日の日記
『したたかな寄生 脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様』(成田聡子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-12-06

2017年03月07日の日記
『ウイルスは生きている』(中屋敷均)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07


 医学、生理学まわりでは、痛覚と嗅覚という慣れ親しんだ感覚に関する最新知見をまとめた『痛覚のふしぎ』(伊藤誠二)と『「香り」の科学』(平山令明)の二冊が参考になりました。


2017年05月17日の日記
『痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム』(伊藤誠二)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-05-17

2017年08月08日の日記
『「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで』(平山令明)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-08-08


 言語学、脳科学の分野では、子どもの「言い間違い」から言語の仕組みをかいま見る『ちいさい言語学者の冒険』(広瀬友紀)と、脳の働きに関する思い込みを覆してゆく『あなたの脳のはなし』(デイヴィッド・イーグルマン)の二冊を楽しく読みました。


2017年11月08日の日記
『ちいさい言語学者の冒険 子どもに学ぶことばの秘密』(広瀬友紀)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-11-08

2017年10月04日の日記
『あなたの脳のはなし 神経科学者が解き明かす意識の謎』(デイヴィッド・イーグルマン、大田直子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-10-04


 最後に、450の研究室、3000人の研究者、500人の事務職からなる巨大研究機関である理化学研究所そのものを取材した『理化学研究所』(山根一眞)が、様々な意味で刺激的な一冊でした。


2017年04月25日の日記
『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』(山根一眞)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-04-25



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