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『アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ』(ジェニー・ブルーム:著、ケイティー・スコット:イラスト、今泉忠明:監修) [読書(サイエンス)]


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 この「アニマリウム」は、生き物の進化の様子が見られる博物館です。あなたが今までに行ったことのあるどんな博物館とも違うのは、24時間、365日開館していて、世界でも類のないほど貴重で素晴らしい生き物たちが、どこよりも多く集まっていることです。しかも展示されている生き物の状態はどれも完璧で、とても細かいところまで観察することができます。(中略)古い動物と新しい動物、巨大な動物とちっぽけな動物、どう猛な動物とか弱い動物をいっしょに見られる博物館はここだけです。「アニマリウム」に入って活気にあふれる動物界を見てみましょう。
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単行本p.7


 カイメンから霊長類まで、160種を超える様々な動物種を進化系統樹に沿って正しく並べ、それぞれに正確で美しいイラストをつけた息をのむような動物図鑑。単行本(汐文社)出版は2016年8月です。


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さまざまな生き物が存在することを「生物多様性」と言います。生物多様性は、私たちとはかけ離れた、日常生活とは関係ないことのように思えるかもしれません。ですが、地球が私たちにとってすみやすい場所なのは、生物多様性のおかげです。ヒトもハエやクラゲ、キリンと同じように動物の1つの種なので、生物多様性のなかに組みこまれています。私たちは、この地球をありとあらゆる種と共有しているのです。
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単行本p.102


 A3サイズの大型図鑑です。最初に「動物界の生命の樹」が見開きいっぱいに描かれ、それに沿って、地球に棲息する多種多様な動物種が、発生した順番に、展示されてゆきます。またそれぞれの種が多く棲息している環境についても解説されます。

 展示されているすべての種について学名、和名、体長、特徴が示されており、種によっては骨格図も。巻末には和名索引だけでなく、ラテン語の学名索引まで付いています。

 イラストはリアルで写実的。いかにも博物館的な「標本展示」という図案の配置になっているのに、個々の「標本」は自然界で生きている状態のまま描かれている、というところが心をつかみます。色合いも素晴らしく、子供が見ても楽しめるでしょう。ちなみに説明の漢字にはすべてルビが振ってあります。

 というわけで、これ一冊で、生命と進化、環境と生物多様性、といった難しい概念をビジュアルに学ぶことが出来るように工夫された美しい動物図鑑。子供にプレゼントしたい一冊です。



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