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『とうだい』(斉藤倫:文、小池アミイゴ:絵) [読書(小説・詩)]



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おおい
おおい
あらしに まけるな
とうだいは ここに いるぞ
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 渡り鳥が話してくれる異国の話を聞きながら、自分はどこにも行けないことに気づいた、生まれたての灯台。ここにいることの意味を考えさせる素敵な絵本。単行本(福音館書店)出版は2016年9月です。

 詩人の斉藤倫さんによる絵本です。淡い色調が印象的な絵を描いてくれたのは、小池アミイゴさん。

 斉藤倫さんが書いた子ども向けの本といえば『どろぼうのどろぼん』『せなか町から、ずっと』が話題になりましたが、いわゆる絵本としては『いぬはなく』に続く第二弾ということになるでしょうか。ちなみに前作の紹介はこちら。


  2010年04月05日の日記
  『いぬはなく』(斉藤倫)
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2010-04-05


 さて本書は、とある岬にたったばかりの新しい灯台が主人公のお話です。毎晩せっせと働いていた灯台ですが、あるとき渡り鳥から聞いた遠い国の話に憧れ、しかし自分はどこにも行けないことに気づいて悲しみを覚えます。そんなある夜、激しい嵐がやってきて……。

 自分やその仕事についてそれまで内省したことがなかったのに、あるとき「ここに自分がいる」ことの意味が身にしみ入るように理解される、ということがあります。自分がここにいる、それだけで誰かの助けになっているかも知れない。気づいたときの喜びと感動、社会性の芽生えを、幼い読者に伝えてくれる素敵な絵本です。


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そりゃ そうさ まちがえっこない
きみが いつだって
おんなじ ばしょで ひかってるんだから
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タグ:絵本 斉藤倫
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