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『9マス将棋 遊び方ガイド』(青野照市九段:考案、日本将棋連盟:監修) [読書(教養)]


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 9マス将棋は、これから将棋を始めたい人や駒の動かし方を覚えたばかりの人に、小さな盤面で将棋を差し、将棋のルールや「詰み」などの基本を知ってもらうためのゲームです。(中略)
 今回、私も研究してみて、9マス将棋にこれだけ深い世界がひそんでいることに大変驚いています。実際に、プロ棋士でもしばらく考え込んでしまった配置図もあります。
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冊子p.32


 3×3の小さな盤面、16枚の駒を使う入門用将棋「9マス将棋」のガイドブック。冊子(幻冬舎)出版は2016年8月です。

 親戚の子どもに将棋を教えてあげようと思って購入した「9マス将棋」ですが、これが意外に奥が深くて驚きました。

 箱の中に入っているのは3×3=9マスの盤面と、16枚の駒(王・飛・角・金・銀・桂・香・歩がそれぞれ2枚ずつ)、それにこの冊子だけ。ハードウェアである盤面と駒は他の将棋セット(ポケット将棋など)で代用できますから、本製品のキモはソフトウェアに相当するこの冊子ということになります。

 冊子には、将棋の基本ルールの解説、9マス将棋用のルール(入れば駒が成れる「敵陣」は一段目のみ)、そして40通りの「初期配置」です。初期配置は入門、初級、中級、上級と分かれています。

 何しろ戦場はわずか9マス。先後の王将は最初から1マスはさんで対峙していますから、入門クラスの「初期配置」は簡単な一手詰め。つまり先手必勝です。

 それぞれの初期配置が「先手必勝」「後手必勝」「双方最善を尽くせば千日手(引き分け)」のどのパターンなのか、これが意外に読めません。例えば、次の配置は非常にシンプルに見えますが、どのパターンでしょうか。(ちなみに、詰め将棋ではないので、連続王手をかける必要はありません)

先手  置き駒:3三玉、持ち駒:歩
後手  置き駒:1一王、持ち駒:桂

 というわけで、入門者のための簡略将棋としてプレイすることも、けっこう歯ごたえのある将棋パズルとして取り組むこともできる、奥の深いゲームです。対象年齢は「6歳から大人まで」となっています。将棋を始めてみたい方、将棋を教えたい方、それぞれにお勧めします。



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