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『日本ふしぎ大発見! ミステリー探険』(山口直樹:監修) [読書(オカルト)]

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 私は長い間、日本中のふしぎなもの、なかでもつちのこや妖怪といった、幻の生物や化け物を追いかけてきた。そこで思い出されるのは、出会った多くの人たちがよく知らないにもかかわらず、つちのこや妖怪の存在を、かんたんに否定してしまうことだ。
 ところが、私がさまざまなミステリーについて話し始めると、みな、すぐにおもしろがって質問をするようになる。物事の結果ばかりが重要視されるなかで、はっきりとした答えがない“ふしぎ”は、人の心をひきつけ、夢やロマンをかきたてるのだろう。
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単行本p.8


 未確認動物、妖怪、宇宙人、さらにはキリストの墓から埋蔵金伝説まで。子供のための国産ミステリー入門書。単行本(小学館)出版は2013年12月です。

 いかがわしいオカルト文化を次世代に継承させるために、親戚の小学生男子にプレゼントする予定の子供向けオカルト入門書です。様々な分野への子供向け入門書シリーズ「入門百科+」(小学館)の一冊で、日本におけるミステリーについて紹介してくれます。

 扱われているミステリーは有名なものばかりですが、ケンムン、フゴッペ洞窟の壁画、聖徳太子の地球儀、豊臣秀吉の埋蔵金、など一部しぶいラインナップが光ります。


[もくじ]

第1章 未確認生物を追う!
  ヘビのようななぞの生物 つちのこ
  ネッシーの仲間!? イッシー・クッシー 
  南の島のなぞの怪物!? ケンムン
  日本の獣人 ヒバゴン

第2章 本当にいた? 伝説の化け物
  水辺にすむまぼろしの生物 カッパ
  人間と魚が合体!? 人魚
  昔から語りつがれる怪物 オニ
  家にすみつくなぞの子ども!? ざしきわらし

第3章 宇宙からの来訪者
  地球外からやってくる!? UFOと宇宙人
  なぜかよく目撃される!? UFOの町
  古代に作られたなぞの人形 遮光器土偶
  翼のある人!? フゴッペどうくつの壁画

第4章 おどろきの遺跡・遺物
  日本にもあった!? ピラミッド
  なぜ日本にある!? キリストの墓
  1400年前に作られた!? 聖徳太子の地球儀
  海底にある石の神殿!? 与那国島の海底遺跡

第5章 言い伝えのなぞを解け!
  お宝、大金がざっくざく! 埋蔵金伝説
  1000年前にあった日本一高い建物!? 空中神殿
  死後1000年経ってもまだ恐ろしい!? 将門の呪い
  最新ミステリーレポート 首相の家にお化けが出る? 首相公邸の幽霊


 子ども向けなので記述はあっさりしていますが、ときどき変に詳しいところを紹介してくるのが個人的にツボ。例えば、全国の「つちのこ懸賞金」リストとか。カッパ捕獲許可証の写真とか。石川県羽咋市のあちこちにあるUFOオブジェを「街灯にUFO!」「時計にUFO!」などと写真入りで紹介したり。

 埋蔵金の項目では、徳川埋蔵金、豊臣秀吉の埋蔵金、武田信玄の埋蔵金、源義経の埋蔵金、天草四郎の秘宝、キャプテン・キッドが鹿児島県に隠した秘宝、と並べてみたり。なぜか日本に墓のある世界の偉人ということで、シャカの墓、モーゼの墓、楊貴妃の墓、徐福の墓、ソロモン王の墓、と写真を並べてみせたり。寂れたテーマパーク感がすごい。

 ちなみに小学館の入門シリーズなので教育的配慮はきちんとしています。例えば、巻末には「ミステリー“真相”ファイル」として否定的・懐疑的な主張がまとめられており、子供が鵜呑みにしすぎないよう気を配っていたり。謎や不思議について考えたり調べたりすることで「動物と自然への興味はより広がり、深まってゆくのだ」(単行本p.165)と、教育効果を強調したり。

 というわけで、学研のひみつシリーズと共に、子供に安心して与えることができます。両方セットにしてプレゼントするとよいでしょう。ちなみに学研のひみつシリーズ読了時の紹介はこちら。


  2014年07月28日の日記
  『いる?いない?のひみつ(学研まんが新ひみつシリーズ39)』(並木伸一郎:監修、こざきゆう:構成、おがたたかはる:まんが)
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2014-07-28




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