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『猫にいいものわるいもの』(造事務所、臼杵新:監修) [読書(教養)]

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わがままで、個体によって性格がまったく異なる猫にも、その性質にはある程度の法則性や方向性があります。それに合わせて、本書では猫の健康のために選んでほしいフードやおやつ、グッズなどを厳選し、選ぶポイントについて紹介しています。
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 キャットフードからペットホテルまで。獣医師が、猫の健康にとって問題ないかどうかという観点から市販品を厳しく評価した一冊。単行本(三才ブックス)出版は2016年4月です。

 ドライフード、缶詰、パウチ、スープ、総合栄養食、一般食、おやつ、それらの組み合わせ。ペットショップに行くと様々な市販のキャットフードが並んでいますが、どれを選べばいいのか迷うところです。あまりに安いものは信用できない気がするし、かといって高ければ健康にいいかというと疑問。せっかく選んだフードも猫が気に入って食べてくれるとは限りませんし、食欲がないとき仕方なく嗜好性の強いフードを与えたら普段の餌には見向きもしなくなったり。一種類のフードだけ与えていると栄養が偏ったりしないのかも不安。

 本書は、悩める飼い主のために、市販されている主な猫用品を獣医師が評価した本です。おもちゃ、トイレ、猫砂、消臭剤、ブラシ、さらには病院やペットホテルまで扱われていますが、メインとなるのはやはりフード。

 販売元、名称、パッケージ写真、総合栄養食(主食)か一般食(副食)か、添加物を含む原材料表示、評価内容が1ページに収められ、パッケージ写真の上には大きく◎○△×が付けられています。

 評価内容はけっこう厳しく、歯に衣着せぬ率直な物言いが印象的です。


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おいしそうな商品名で「愛猫にいいものを食べさせている」という満足感を飼い主に与えているといえます。飼い主の満足より、猫の健康を第一に考えるべきでしょう。
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一見、健康に留意しているように見えますが、不要な着色料が山盛りです。
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突出して悪い成分が含まれているわけではありません。ただし、もっとシンプルで、栄養バランスと材料の品質に注意している製品はほかにたくさんあります。
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調味料、保存料、発色剤、食用色素など、不安のある添加物だらけ。おやつなのか、添加物なのか、わからなくなりそうです。
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 有名ブランドのフードも容赦なく批判されていたりして、かつての『買ってはいけない』論争にならないか心配ですが、“疑わしきは選ばず”の予防原則で猫の健康を守りたい飼い主にとってはありがたい。

 評価内容をじっくり読むと、どの添加物を避けるべきか、「とろみ」は安全なのか、グレインフリー(穀物成分なし)は重要なのか、など様々な知識が得られます。本書に掲載されてない製品についても、成分表を読んである程度まで自分で判断できるようになれそうです。

 これから猫を飼う人には必ず知っておいてほしい知識が満載ですし、すでに猫を飼っている人も自分が与えているフードがどのような評価なのか確かめてみることをお勧めします。



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