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2015年を振り返る(5)[詩歌] [年頭回顧]

2015年を振り返る(5)[詩歌]

 2015年は、とにかく“現代詩なるものが誕生してから100周年だ”と力強く宣言する『現代詩100周年』(TOLTA)が出た年、ということに。100名近い詩人たちが集結した記念碑的アンソロジーです。

『現代詩100周年』(河野聡子、川口晴美、西元直子、斉藤倫、四元康祐、他)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-11-25


 この『現代詩100周年』で初めて出会った詩人も多く、なかでも西元直子さんと小笠原鳥類さんの作品は衝撃的でした。すぐに詩集を手に入れてもう大興奮。

『巡礼』(西元直子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-12-03

『けもの王』(西元直子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-12-02

『夢と幻想と出鱈目の生物学評論集』(小笠原鳥類)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17


 雑誌では、現代詩手帖のSF詩特集が、好み直撃でした。

『現代詩手帖2015年5月号 【特集】SF×詩----未知なる詩の世界へようこそ!』(河野聡子、最果タヒ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-04-29


 ちょっとSFっぽい言葉が出てくるだけで「SF詩だっ」「SF詩だっ」と喜んでしまう悪い癖があるのですが、2015年に読んだ詩集のうち「SF詩だっ」と喜んでしまったのが次の三冊です。

『美しい動物園』(倉本修)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-08-17

『memories』(270725 PROJECT 高塚謙太郎)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29

『背丈ほどあるワレモコウ』(コマガネトモオ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-03-11


 ちなみに、同じ癖で「SF短歌だっ」と喜んでしまった歌集は次の三冊です。

『ビットとデシベル』(フラワーしげる(西崎憲))
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-07-09

『モーヴ色のあめふる』(佐藤弓生)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-07-08

『念力ろまん』(笹公人)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-06-04


 さて、今年とても印象に残っているのは、長編ミステリ詩『双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら』が6巻で完結したこと。雰囲気もデザインも素晴らしい。2015年に読んだ川口晴美さんの詩集としては『Tiger is here.』が強烈で、読後すぐにブルーレイディスク11枚を購入してしまって大散財です。(詳しくは『半島の地図』の紹介に書きました)

『ビタースイートホーム』(川口晴美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-11-05

『半島の地図』(川口晴美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-09-14

『Tiger is here.』(川口晴美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-09-02

『双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら vol.6』(川口晴美:詩、芦田みゆき:写真、小宮山裕:デザイン)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-09-03


 まずタイトルに驚かされたのは、『『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。』(そらしといろ)。こ、これはラノベならぬラポエか、などと訝りながら読みましたが、素晴らしい青春詩集でした。慌てて前作『フラット』も読んでみましたが、こちらも良かった。

『フラット』(そらしといろ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-12-22

『『モブキャラ生徒Aが彩る高校青春グラフィティ』も3期に突入な件。』(そらしといろ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-12-09


 静かな不安と違和感に満ちた、斎藤恵子さんの詩集も好みです。とてもいい。

『夜を叩く人』(斎藤恵子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19

『樹間』(斎藤恵子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01


 そして、圧倒的な言葉の力に押し流されるような傑作がこの三冊。個人的に、2015年に読んだ詩集トップスリーです。

『舵を弾く』(三角みづ紀)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-09-09

『用意された食卓』(カニエ・ナハ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18

『花と死王』(中本道代)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-04-23


 台湾、そして福生。個人的に愛着がある場所を扱った詩集には、特別な思い入れがあります。というか福生に住んでいるのに吉増剛造さんの作品を今まで読んでなかったという恥ずかしさ。

『艸の、息』(松岡政則)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-10-21

『ことばの古里、ふるさと福生』(吉増剛造)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-05-20

『静かな場所』(吉増剛造)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-05-19


 最後になりましたが、(SF短歌以外の)歌集でいいなあと思ったのは次の二冊でした。

『オーロラのお針子』(藤本玲未)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-03-12

『タンジブル』(鯨井可菜子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13