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『近藤良平のモダン・タイムス』(近藤良平:振付・演出、小林十市) [ダンス]

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彼の本当の名前は、むっしゅイレブン。
分かるね、小林十市(じゅういち)だけに。
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 2015年1月17日は、夫婦で東京芸術劇場プレイハウスに行って、近藤良平さんの新作公演を鑑賞しました。一般公募で集まった参加者を含め、総勢40名が歌い踊りスベりまくる楽しい舞台です。公演時間は約2時間。

 壁で分割された巨大な回り舞台が設置され、それぞれの分割区画でコント風の寸劇やらダンスやらが披露されます。舞台はゆっくり回転を続け、それに合わせて次から次へと出し物が続く、という賑やかな仕掛けです。背後の壁や(後半に舞台へ降りてくる)半透明の環状スクリーンに映像が投影され、これが劇的効果をもたらします。

 最初のうちは意味不明だったり、あからさまにスベったり、脱力気味だったりして、観客も期待のハードルをぐんぐん下げてしまうわけですが、すべて織り込み済。後半に向けてぐんぐん面白くなってゆき、やがて有無を言わさぬイキオイで感動的に、盛り上がってゆきます。

 『コンドルズ』の公演でウケたネタの再演から、ピナ『コンタクト・ホーフ』ごっこまで、観客を楽しませるためなら何でもアリというサービス精神はお見事。実際、大いに楽しみました。

 篠原ともえさんがデザインした派手な、はじけまくった昭和モダン風の衣装は、これがすごいインパクト。総勢40名の出演者がそれを着て踊りまくるのです。ご本人の見せ場もばっちりで、よくは知らないのですが、シノラーの皆さん大喜びだったんじゃないでしょうか。

 近藤良平さんによる小林十市いじりも執拗で、こちらもファンは大喜びでしょう。猫耳を着けさせたり(ベジャールのフィリックス・ザ・キャットごっこ、たぶん)、サングラスをかけさせたり、おいイレブン(じゅういち)とか呼び捨てにして、自分の演奏に口笛で伴奏させたり(そういう自分はジョン・レノンごっこ)、二人で互いによっかかって立って篠原ともえさんに「そう、これが、コンテンポラリーダンスなんです!」とか叫ばせたり。

 また、いちいち大生真面目な顔でつきあう小林十市さんもナイス。もちろんちゃんとした凄いダンスも何度か披露されます。まずは腰痛ネタで笑わせておいて、近藤良平さんとのデュオ、そしてビゼーのファランドールをバックにかっこいいソロダンスが炸裂。最後にはアイドル曲に乗せてアイドル振付でちゃーらちゃーら楽しそうに踊っている姿が印象的でした。素敵。

 たむらぱんさんの演奏や踊りもキマっていたし、一般公募の参加者も、皆さん踊れること踊れること。贅沢な正月公演という感じで、正月気分ぶり返し。今年も幸先の良いスタートを切ることが出来ました。

[キャスト]

構成・演出・振付: 近藤良平

出演: 北尾亘、小林十市、近藤良平、篠原ともえ、清水ゆり、スズキ拓朗、たむらぱん、デシルバ安奈、那須野綾、野坂弘、三輪亜希子、
一般公募の皆さん


タグ:近藤良平
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