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『つい話したくなる 世界のなぞなぞ』(のり・たまみ) [読書(教養)]

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「なぞなぞ」は、それぞれの国の文化の中から育まれました。一つひとつの「なぞなぞ」には、その国の知られざる歴史や、驚くべき風習が背景にあります。(中略)
 世界のなぞなぞを知ることは、その地域の人々の生活・歴史・風土や価値観を知り、お互いを理解しあうことに通じます。
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新書版p.4、5


 世界各地の「なぞなぞ」を通して文化や慣習の違いを学ぶ一冊。新書版(文藝春秋)出版は2014年9月です。


オランダ
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 Q. 空のコップには、水は何滴入るでしょう?
 A. 1滴
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新書版p.36

イギリス
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 Q. アメリカのグランド・キャニオンは、どうして出来たのでしょうか?
 A. スコットランド人の旅行者がコインを1つだけ落としたから
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新書版p.55

韓国
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 Q. 口があっても、喋れない生き物、な~んだ?
 A. 目下の人
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新書版p.82

プエルトルコ
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 Q. 女性が一番喋らないのは何月?
 A. 2月
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新書版p.114

ブラジル
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 Q. 男性が生まれて初めて女性と寝る夜、何をしなくてはいけないでしょう。
 A. 乳を飲むこと
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新書版p.118


 本書には、上のような各国の「なぞなぞ」とその答えが同じページに載っています。答えを当てようというクイズ本ではなく、問いと答えを見てなぜそうなるのか考えてみよう、という主旨なのです。

 読み進むにつれて、「なぞなぞ」が、いかに文化や風習と強く結びついているかに驚かされます。異なる文化圏にいる読者にとっては、答えが分からないどころか、そもそも答えの意味や面白さがさっぱり分からない、ということも多々あるのです。

 もちろん本書では、それぞれの「なぞなぞ」について答えの意味や面白さ(の背景となっている文化や慣習)が詳しく解説されています。この解説ですが、豆知識的な雑学としても楽しめます。こんな感じ。


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 ドイツでは、お墓は「期限付きレンタル」方式になっており、期間が満了すると次の客の遺体を埋める。
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 フランスのジャンケンには4つの手があり、手によって勝率が異なる。
 マレーシアのジャンケンには5つの手があり、絶対に負けない(他のすべてに勝つ)手がある。
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 オーストラリアでは、サンタクロースの橇はトナカイではなくカンガルーが引いている。
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 1990年代に、米国で「自由の女神は黒人か白人か」が大論争になり、最終的に「緑人」ということで決着した。
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 日本についても、意外に知らなかったことが多くて驚かされます。


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 世界の約3割の人が「箸」を使って食事をするが、「箸だけで完結する(スプーンの類を使わずに食事を済ませる)」のは日本人だけ。
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 ダイス(サイコロ)は世界中で使われているが、1の目が赤いのは日本だけ。
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 16世紀当時、日本はヨーロッパのどこよりも銃をたくさん所持していた。
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 というわけで、世界の「なぞなぞ」から見えてくる文化の違いという点が興味深い一冊です。また、雑学好きな方にもお勧めします。


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