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『To Belong / Suwung』(北村明子) [ダンス]

 2014年10月5日は、夫婦で青山円形劇場に行って、北村明子さんの新作公演を鑑賞しました。インドネシア・日本の国際共同制作プロジェクトによる70分の舞台です。

 舞台上には5枚の大きなすだれが垂れ下がっており、ここにトリップ感の強い映像が投影されます。北村明子さんとユディ・アフマッド・ダジュディンさんを含む男女8名の出演者は、この映像投影されたすだれを通って舞台上に自由自在に出入りします。

 ジャワの伝統音楽、古典舞踊、格闘技の型、そしてコンテンポラリーダンスが融通無碍に融合し、新鮮な驚きをもたらします。見たことがないような動き、不思議な重心移動、きれ味鋭い方向転換。

 ときに掛け声もリズミカルに民族舞踊のように舞ったかと思うと、格闘技の演舞に見えるかっこいい殺陣。力強い動きに、歌が加わり(これが圧倒的な歌唱力)、ダンサーたちの発声が加わり、背景の映像も溶け合い、呪術的な酔いに翻弄されることに。

 北村明子さんの存在感は素晴らしく、ただ舞台に立っているだけで「ただごとではない」気配がひしひしと感じられ、ふっと動き出すと、これはもう目が離せません。

 前作『To Belong -dialogue-』も凄かったのですが、個人的には今作の方がより感動的でした。こうなると、この「To Belong」プロジェクトの今後の展開が楽しみです。


[キャスト]

振付・演出: 北村明子
ドラマトゥルク・演出: ユディ・アフマッド・ダジュディン
出演:北村明子、ユディ・アフマッド・ダジュディン、エンダ・ララス、リアント、ルルク・アリ、大手可奈、西山友貴、川合ロン


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