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『SFマガジン2014年7月号 創刊700号記念特大号』(グレッグ・イーガン) [読書(SF)]

 SFマガジン2014年7月号は、『創刊700号記念特大号』ということでこれまでの記事を抜粋して歴史を振り返るとともに、谷甲州とグレッグ・イーガンの新作を掲載してくれました。


『サラゴッサ・マーケット』(谷甲州)

 「外惑星連合が保有した唯一の正規フリゲート艦で、巡洋艦とも称すべき機能を有していた。だが、回収するのは容易ではない。(中略)サラマンダーは毎秒数百キロの高速に達していた。太陽系を離れて、天頂方向に飛翔していたのだ」(SFマガジン2014年7月号p.249)

 アンダーグラウンドなビジネスの拠点として知られている、土星の衛星イアペトゥスにあるサラゴッサ・マーケット。そこに店を構えているサルベージ業者に舞い込んできたのは、外惑星動乱時に失われた巡洋艦サラマンダーの回収、という驚くべき依頼だった。

 第1次外惑星動乱終結後を舞台とした新・航空宇宙軍史、その第3話。


『端役』(グレッグ・イーガン、山岸真:翻訳)

 「あなたは〈大災厄〉を忘れたというの?(中略)重力が横むきになったときのこと。重力がわたしたちを地球の中心にむけて引っぱるのをやめて、そのかわりに東に引っぱるようになったとき」(SFマガジン2014年7月号p.346)

 すべてが横倒しになり、東が「下」になった世界。人々が暮らしている洞窟の出口からは、大地が「上下」に広がっている。いったい物理法則はどうなってしまったのか。

 洞窟の中で物理法則を探求する話なので、また『白熱光』かと思いきや、意外にも『クリスタルの夜』へと向かう、イーガン待望の新作。


[掲載作品]

『サラゴッサ・マーケット』(谷甲州)
『端役』(グレッグ・イーガン、山岸真:翻訳)


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