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『世界に挑む 若き日本人ダンサーたち ~第42回ローザンヌ国際バレエコンクール~』 [ダンス]

 2014年2月16日(日)16:00-16:30、NHK ETVにて放映された、第42回ローザンヌ国際バレエコンクールで入賞した日本人3名を扱ったドキュメンタリー番組を視聴しました。なお、再放送の予定は、2014年2月22日(土)NHK総合 10:50-11:20、とのこと。

 毎年、5月の連休前後になると、ローザンヌ国際バレエコンクール決勝の様子をNHKが放映してくれるのですが、今年は日本人の活躍が大きな話題になったため、入賞した日本人3名のパフォーマンスだけ一足早く見せてくれたわけです。

第42回ローザンヌ国際バレエコンクールは、2014年1月26日から2月1日まで開催され、世界35カ国から295名(女子224名、男子71名)が応募しました。コンクールに出場できた70名のうち、日本人は21名(女子16名、男子5名)でした。

 2014年1月31日の準決勝で選出された20名が決勝に進みました。そのうち、日本人は男子3名、女子3名。以下の方々です。

 日本人の決勝進出者

  前田紗江さん(15歳)
  渡邊綾さん(16歳)
  森春陽さん(15歳)
  熊谷早畝さん(18歳)
  二山治雄さん(17歳)
  加藤三希央さん(18歳)

 2014年2月1日の決勝では8名の入賞者が決定し、うち日本人が1位、2位、6位を占めました。過去にも日本人が3名入賞という年はあったそうですが、1位、2位とも日本人というのは初めての快挙だそうです。さらに、日本人の男性ダンサーが最高位になるのは、1989年に熊川哲也さんがゴールドメダルを受賞して以来25年ぶりとのこと。

 入賞者は次の通り。

  1位:二山治雄(日本)
  2位:前田紗江(日本)
  3位:Precious Adams (米国)
  4位:David Navarro Yudes (スペイン)
  5位:Garegin Pogossian(フランス)
  6位:加藤三希央(日本)

 なお、今年のコンテンポラリー部門の課題は、以下の三名のコレオグラファーの作品から選ばれました。

  ヨルマ・エロ Jorma Elo
  ゴヨ・モンテロ Goyo Montero
  リチャード・ウェアロック Richard Wherlock

 ヨルマ・エロ、ゴヨ・モンテロの作品は昨年と同じで、今年はディディ・フェルトマンに代わってリチャード・ウェアロックの作品が加わりました。恥ずかしながら私はどれも観たことがないのですが、知らない作品を鑑賞できるというのも、ローザンヌ国際バレエコンクールの楽しみですね。

 番組では、クラシック部門の解説を新国立劇場の次期舞踊芸術監督である大原永子さんが、コンテンポラリー部門の解説をNoism芸術監督である金森穣さんが担当しました。

 金森穣さんはどうやら日本のバレエ教育がクラシック偏重であることにご不満らしく、各人のコンテンポラリーダンスにおける身体の使い方についてのコメントは、かなり辛口でした。

 確かに、以前に比べると改善されてきているとは感じますが、やはり若いダンサーが世界の舞台で活躍するためにはコンテンポラリーダンスを踊れることが必須なので、早めに基礎を学び、経験を積むことが出来るようにしてあげることが大切だと個人的にも思います。

 さて、番組で放映された、入賞者3名によるコンテンポラリー部門の様子です。

6位:加藤三希央(かとうみきお)さん(18歳)

 リチャード・ウェアロック振付
 『ディエゴのためのソロ』

 緊張感に満ちた導入から、次第にテンポが早くなって、躍動感がはじける作品です。加藤さんは、洒落た大人っぽい雰囲気でスマートに踊ってみせましたが、金森さんは「振付意図の解釈がまだまだ」と厳しく指摘。

2位:前田紗江(まえださえ)さん(15歳)

 ゴヨ・モンテロ振付
 『サラバンド』(『バソス・コムニカンテス』より)

 情感のひらめきで魅せる作品です。前田さんは、上品な若々しい表現で踊ってみせ、金森さんも「筋力を鍛えて、身体の調和を追求すると、もっと向上できるはず」と助言。

1位:二山治雄(にやまはるお)さん(17歳)

 リチャード・ウェアロック振付
 『ディエゴのためのソロ』

 加藤三希央さんが踊ったのと同じ作品ですが、こちらは一瞬の油断もなく、最後までカッコよくセクシーに決めてみせました。後半の盛り上がりとエネルギーの奔流には息を飲みます。金森さんも、「運動能力と可能性はずば抜けている。さらに表現を勉強していってほしい」とコメント。

コンテンポラリー賞:プレシャス・アダムスさん(18歳、米国)

 ヨルマ・エロ振付
 『ファースト・フラッシュ1』

 3位入賞に加えてコンテンポラリー賞も獲得したプレシャス・アダムスさんは、緊張感とエネルギーを極限までためて、一気に放出するような豪快な嵐のようなダンスで喝采を浴びていました。金森さんも、「多様な動きに身体が慣れているところが素晴らしい」と感心していました。

 とりあえず残りの予選通過者の決勝戦におけるパフォーマンスは、5月に放映されるであろう特番を待つことになります。今から楽しみです。


タグ:ローザンヌ
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